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【川崎】鈴木泰人(美術作家)

光と場所を題材に現在アート作品を生み出し、国内海外で評価されている美術作家の鈴木泰人さんにインタビュー。

プロフィール

1979年川崎市出身、2002年にオーストラリアのタスマニア州立大学に語学留学し卒業、2009年に多摩美術大学造形表現学部 油画科 卒業して学芸員資格取得。2011年、多摩美術大学 大学院美術研究科 絵画専攻 修士課程 修了。2017年OBI結成、合同会社OBI設立。

光や場所を題材にして、インスタレーションやタブロー、プロジェクトアート、パフォーマ ンスアートなど、多様な表現方法により発表を行う。一貫したテーマである「距離を測る」作 品は、地域や企業と取り組むアートプロジェクトで数多く採用され、作品制作のプロセスにお ける会話から物語づくりを、多分野に応用する試みも同時に行っている。2017 年に現代美術と 建築に特化したOBI を結成し、合同会社 OBI を設立。共同代表をつとめる。

大学時代から芸術の世界へ

川崎市麻生区で生まれ育ち、小さい頃はゲームが大好きでよく遊んでいたと話す鈴木さん。高校を出て大学進学を志すが、2浪しても大学には進学できず海外に留学をする。帰国後にお金を貯めて多摩美術大学に進学した。最も影響を受けたアーティストに、2021年に逝去したクリスチャン・ボルタンスキー氏を挙げた。大学時代から芸術活動を活発にはじめ、ニューヨーク、スロベニア、フランスでも展示会を開くほど国内のみならず、海外でも評価されている。

鈴木さんの表現方法は、絵画、インスタレーション、パフォーマンスなど多岐にわたっている。メインテーマは、「光」。見える景色がその土地によって変わるように、光もまたその土地によって違う。「その土地の特色を取り出し、空間の中に封じ込めて形にしたい」と語る。

2017 真鶴まちなーれ《129番の灯り》

2018 六甲ミーツアート《スラスラチカチカ》OBI

この作品は、六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2018 公募大賞でグランプリを受賞した。六甲オルゴールミュージアムにて展示され、六甲山の自然と向かい合う作品として逆説的な表現に挑んだそうだ。自然界には存在しない人工的な蛍光色で塗られた100本ほどの角材は植林をイメージしたもので、自然とは何かを考える契機となる作品。

2019 六甲ミーツアート《がれきに花をさかせましょう》OBI

2020 CoSTEP×鈴木泰人《ふりかえれば未来》

2020 volve-《毒照ス》

2021 city gallery 2320《ノーナイ・サーカス》OBI

表現することの意義を考え続け、作品を作ることが自分の居場所でもあると語る。子どもの頃から芸術の世界を目指していたのかと問うと大学に入るまでは考えてなかったそうだ。サブカルチャーが好きで、ファミコン世代でもあるので、そこから影響を受けたのも大きい。2017年からは新潟で知り合った仲間と合同会社OBI を設立。映像作家も加わってプロジェクトベースの活動を国内外で行っている。

地元川崎でのつながり

2020年のコロナ禍で仕事が無くなってしまう。香港やハワイ、キプロス共和国で予定していた海外での仕事ができなくなってしまった。1年間何も出来なくなったとき、地元の川崎市近郊で作品を作ってなかったことに気づく。コロナで活動できる場所を失い、地元の芸術関係の仲間たちと自分たちで何か作っていかないといけないと話し合う。制作する場所、自分の居場所をつくろうと、熊谷薫さんらと共にTAMA VOICES というコミュニティをつくった。そこから地元とのつながりが芋づる式に広がっていくのを実感したと言う。

制作や展覧会などで出会った人や仲間を通して紹介し合いながら出会いがある気がする。どちらかと言うと今までコミュニティを作る様にして個人でも会社でも作品を作ってきた。現代アートをどうやって楽しむのか、あるいはもっと単純に作品を作る事ってこんなにも生活に役に立つことなどでしょうか。現代アートは分かりにくく、近寄りがたい部分もある。でも同時にもっとも身近な素材でありふれた表現をしているモノも多く、内容を知ることで興味を深める事も多いかと思う。

また、作品を作る楽しさを理解する事で日常に豊かな考え方が広がったり、話題のタネにもなったりする。観る事の楽しさと、作る事の楽しさから自分の生活をほんのちょっと違う視点で暮らしてみる、なんてことができるかもしれません。

これからどうしていきたい

2020 年に海外で展覧会を行う予定が 3 つもなくなったのは心残りです。できれば海外での展 覧会で国内外のコミュニティを形成する事が作品を通してできればと、夢を描いています。 

パッションポイント

ルアーフィッシング

公式サイト、出版物など

鈴木泰人 公式サイト

OBI 公式サイト

チケット(私のできること、得意なこと)

・現代アートを観る楽しさを伝えます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

片平中町遺跡公園の近くの丘から見える風景
神奈川県川崎市麻生区片平3丁目27−1
自分の幼いころからの原風景でもあり、初日の出や夜景、時には富士山も望める場所です。

お気に入りの場所(アウェイ)

クレマチスの丘
静岡県駿東郡長泉町東野 クレマチスの丘347 1
公式サイト

神奈川県立美術館 葉山館
神奈川県三浦郡葉山町一色2208−1
公式サイト

横須賀美術館
神奈川県横須賀市鴨居4丁目1
公式サイト

KIITO(デザインクリエイティブセンター神戸)
兵庫県神戸市中央区小野浜町 1-4
公式サイト

Dia Beacon
3 Beekman St, Beacon, NY 12508 アメリカ合衆国
公式サイト

MoMA PS1
22-25 Jackson Ave, Queens, NY 11101 アメリカ合衆国
公式サイト

【じゃらん】国内25,000軒の宿をネットで予約OK!2%ポイント還元!

つながり

熊谷薫(アートマネージャー)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

ソーシャルタウンガイドのインタビューを開始して、初めて芸術系の作家さんにお話を伺う。事前に資料などいただたりして準備周到していただいて助かりました。川崎を拠点としたコミュニティ活動も盛り上がっていくのを楽しみにしています。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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