100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【北海道】赤井義大( Yakumo Village )

地元八雲町で銭湯や廃校をリノベーションし、ゲストハウスやコワーキングスペースなどを運営する赤井義大さんにインタビュー。

プロフィール

北海道八雲町出身。1990年生まれ。
高校3年間をニュージーランド、大学4年間をカナダで過ごす。その後東京で2年間サラリーマンをした後地元八雲町へUターン。廃業した銭湯をリノベーションし、ゲストハウスとレストランを開業。また、農業や漁業、自然などを活用した体験型の観光商品を開発し観光客に提供する。その他にも移住促進事業、廃校活用事業、人材紹介事業、キャンプ事業など幅広く地域に関わる事業に携わっている。

高校と大学は海外の学校へ

八雲町は函館市と札幌市の中間にあり、日本で唯一、太平洋と日本海に面する町である。また北海道酪農発祥の地とも言われていて、乳牛1万頭、牛乳の生産は4万5,000トンで道南一を誇る。その八雲町で生まれ育った赤井さん。中学生の頃に国際交流プログラムを通して韓国、ロサンゼルスに行き、現地の人や異文化に触れた。海外が身近に感じ高校はニュージーランドの高校を選らんだ。大学はカナダの大学に進学し心理学を専攻する。特に語学力があったわけでなかったが、ゼロから学んだという。

大学卒業後は東京の会社に就職し、代理店営業などの仕事をした。東京で2年間過ごすのだが、そこで感じたのは友人と飲みに行っても会社の愚痴などマイナス思考ばかり。みんなの表情も覇気がない。地元の八雲町に帰ってみると、イキイキしていた。そうしているうちに田舎がより好きになって、田舎に関わる仕事をしたくなったそうだ。

東京にいる仲間たちも田舎に行けば、ストレスから開放されて生活も楽しくなるんじゃ無いかと思い、Uターンして人材紹介の会社を立ち上げる。しかし、人自体はそれなりに呼べたが、受け入れの体制(短期やお試しで住む場所や仕事の幅、条件、外の人との関わり方などが整っていなかったので定住やリピートに中々繋がらなかった。なので、外の人を受け入れる体制作りをするために観光を始めた。八雲町の知名度が低く、住む場所もなく、条件も悪いと他の市町村に人が流れていく。そこで次に八雲町を知ってもらうために、観光を始めて外から町に来るようにしようと思った。

古民家ゲストハウス『SENTŌ』

自然が豊かな八雲のコンテンツに活かし、農業体験や散策ツアー、地元民との交流をしてもらいたいと考えた。そこで宿が必要だと思い、空き家を探し始めて見つけたのが大正時代からあった古い銭湯だった。その銭湯をリノベーションし、2018年に地場産レストラン&古民家ゲストハウス『SENTŌ』をオープン。予約サイトを公開するとすぐに外国人観光客から予約が入ってきた。フランス、台湾、シンガポール、オランダ、オーストラリア、トルコなど様々な国から来てくれたという。浴場だった場所は、地元食材を使った料理を提供するレストランにした。

もともと銭湯は入浴だけでなく、コミュニケーションの場所でもあった。年齢や性別、職業も関係なく、いろんな人たちが集まり情報交換をしたいた場所。人が集まる現代版のSENTŌをつくりたいと考えたそうだ。宿泊者同士で話が弾む「ゲストハウス」。会話しながら地元の美味しいものを食べれる「レストラン」。八雲町で農漁業などの体験を通じて地元の人との交流が図れる「体験プログラム」の窓口を備えている。

廃校をリノベーション『ペコレラ学舎』

廃校となった大関小学校を、全国の面白い人材が集まり、地域内外の交流を通じて地域を盛り上げる拠点「ペコレラ学舎」にリノベーションするというプロジェクトが始まった。ペコレラとは、アイヌ語でペコは牛、レラは風を意味するそうだ。酪農が盛んな八雲町では風が牧草や牛の匂いを運んでくることから命名された。

廃材や古い家具を活用して、地球に優しい製品の導入などサスティナブルな要素を多く取り組む。校舎はコワーキングスペースとキャンプ場としての機能を果たす。ほかにも交流スペース、音楽活動ができるスペース、アートスペースなども整備する予定だ。

これからどうしていきたい

面白いことはどんどんやっていきたい。移住相談の仕事、教育、福祉など横につながるので、行政ではできないことを民間でやっていきたい。外の人が地元民と連携してチャレンジできる仕組みをつくる。

移住だと人生を捧げないと地方と関われないが、地方の人と一緒に取り組んで、この町を気に入って欲しい。1年間で数ヶ月間滞在できるプロジェクトをつくり、そこで関係性を持てるようにしたい。

パッションポイント

サウナとヘルス。

サウナを取り入れたヘルスツーリズムを事業化しようと計画している。今後地方はただ観光に行くと言うより、地方に来て心身健康になって行く的な観光とワーケーションできたらと思って今商品開発などを行っている。

公式サイト、出版物など

公式サイト

チケット(私のできること、得意なこと)

八雲町を案内します

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

リノベ中の廃校ペコレラ学舎の校舎裏景色

お気に入りの場所(アウェイ)

森町の漁港からの景色

つながり

谷口敦(蒲生商事)

坂田純華(ezowell)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

谷口敦さんからの紹介。銭湯や廃校をリノベーションしてゲストハウスやシェアオフィスなどで地域のために活動される話はどれも興味深い内容でした。お気に入りの場所で紹介くださった景色は、どちらも美しくて自分の目で見てみたいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
野田国広の記事一覧