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【東京】小薬順法(ノミガワスイーツ)

ゼネコンを経て独立し「商い暮らし」のサイト運営や、大田区で「いろは堂」「ノミガワスイーツ」を手がけた小薬順法さん。

プロフィール

自宅の一部で商いをするという、以前は多くの家庭がそうであった暮らし方に「豊かさ」があることに気付く。一方、不動産検索サイトに「住居+店舗」というカテゴリーが無いことに疑問を持ち、店舗付き住宅の専門サイト「商い暮らし」を2016年にOPEN。

 2017年に東急池上線「石川台駅」の元たばこ屋の店舗付き住宅に事務所を移転。1階はレンタルカフェ「いろは堂」として、開かれた場を運営した。2022年からは大田区池上に事務所を移転し1階には「ノミガワスイーツ」を開業した。

ゼネコンなどを経て独立

茨城県下館市で生まれ育った小薬さん。下館市は2005年に平成の大合併で筑西市となった。実家は建築関係の仕事で小さい頃から現場に遊びに行くなど建築はいつも身近な仕事だったため、高校から大学に進学する際は、迷わずに建築への道を選んだ。明治大学に進学と共に上京。大学を卒業してからは横浜のゼネコンに就職。当時は港北ニュータウンの区画整備が終わった頃で、設計に3年ほど関わった。それから同じ系列の住宅メーカーに移るが、自分には設計が向いてないと気づいた。ずっとパソコンに向き合って仕事をするよりも、現場に出て打ち合わせをする方が楽しいと思ったと話す。そして現場監督として働き、不動産ファンド会社を経て、2012年に個人事業として独立。翌年に法人設立。社名はグリッドの格子とユニオンの結合を掛け合わせるて「グリットユニオンスタイル」という名前が浮かび、略して「G.U.Style」とした。

「商い暮らし」スタート

サラリーマンをやめた時に自分が何がしたいのかを考える時間が出来た。子どもを幼稚園に送り迎えをしていた時、通園路に店舗付き住宅の空き家を見つけた。もし自分が借りて仕事しながら、カフェなど作れたら子どもの帰りに迎えれると思ったのと、地域に根ざしたコミュニティにも出来そうだと思った。そういう商い暮らしという暮らし方は、近年では少なくなっている。商い暮らしの方が自分らしい生活が出来るのではないかと思い始めた。

店舗付き住宅を探したいと思った時、大手住宅検索サイトでは店舗か住宅のカテゴリーしかなく、店舗付き住宅を探しにくかった。また貸主側も貸しにくいという状況もあった。そこで2016年から店舗付き住宅サイト「商い暮らし」をスタートさせた。自分たちで取材して空き家情報を掲載し始めると、若い世代が店舗も住まいも借りれて安い物件を探せると、利用者が増えていった。

石川台で「いろは堂」オープン

「商い暮らし」を運営し始めた頃は渋谷駅近くのシェアオフィスを借りていて、自分たちで商い暮らしを提案しながら都心のシェアオフィスにいることに違和感を覚え、引っ越し先を探すことにした。同じ会社の同僚と自分が世田谷区や川崎市に住んでいたこともあり、中間地点となる世田谷区や大田区など多摩川界隈で探し出す。その中で見つけたのが東急池上線石川台駅から徒歩約2分にあるタバコ屋跡の空き家だった。2階建てで2階に自分たちの事務所を構え、1階では貸ギャラリーにしようと始めは考えた。

滞在時間を長くいてもらい、仲良くなるきっかけを作るには釜場(コンロ)を中心とした飲食できる場所の方が良いと考え、時間貸しのレンタルキッチン「いろは堂」にした。1日だけカフェやバーをしたい人、友人とのパーティー会場に使い方たい人など次第に地域とのコミュニティが増えていった。それまで石川台駅には飲食店も少なかったことから、1人暮らしをしてる方も夕食に立ち寄ってくれたり、さらにそこから出会って交際し始めたカップルも生まれた。

池上に移転し「ノミガワスイーツ」オープン

「いろは堂」はもともと定借賃貸だったこともあり、2021年で営業を終了。2022年からは大田区池上に事務所も移転をし、1階ではスイーツ&カフェ「ノミガワスイーツ」をはじめた。パティシエになりたい人、自分のお店を持ちたい人、パティシエとしてもう一歩踏み出したい人などを応援する場所である。「いろは堂」ではイベント需要の方が多く、お店を持ちたいという人への支援には至らなかった。本業である不動産と離れてしまうのでは意味がないので、我々と一緒に運営できる方法を見つけていきたいと語る。独立開業しなくても、パティシエとして表現ができる場所として「ノミガワスイーツ」が地域の中でも新しいコミュニティになることを目指す。

これからどうしていきたい

みんなに使って喜んでもらえる場所をこれからも作っていきたい。スイーツのみならず、ほかのジャンルも含めて、独立したいと思ってる人、家庭に入って休んでる人たちにとっての居場所、働き方を提案できる場所を作りたい。

パッションポイント

ノミガワスイーツ、走ること

公式サイト、出版物など

商い暮らし

じぶちん

Instagram  (@nomigawa_sweets)ノミガワスイーツ

チケット(私のできること、得意なこと)

・パティシエさんのすごさと熱い想いを教えます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

ノミガワスイーツ
東京都大田区池上2丁目22−3

お気に入りの場所(アウェイ)

茨城県筑西市

つながり

石井秀幸(スタジオテラ)

アベケイスケ(Baobab Design Company)

天野光太郎(天野企画)

清水公彦

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

石井秀幸さんからの紹介でインタビュー。池上の素敵な方々が続々と繋がっていて、すごく気になる街になりました。むかし千鳥町に会社の営業所があったので池上線の街自体はもとから好きだったんですが、やはり人が中心にいてよりその魅力度が増しますね。必ず遊びにいきます。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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