保育士から介護福祉士に転身し、これまでの介護とは一線を画した実践がテレビや雑誌で注目の青山幸広さんにインタビュー。
ケアプロデュースRX組 代表
1966年青森生まれ 保育士を経て介護福祉士となり介護老人保健施設で働く。効率・公平性だけを求める管理的な介護に嫌気がさし、介護を一旦離れる。神奈川の川崎でタクシー運転手をしながら、さまざまな介護施設を見学したりボランティア体験したりし、自分の中での介護観を確立。再び青森に戻り、老人保健施設の介護長となり、自分のこれまでの体験を実践に移していく。お年寄りの元気を引き出していくやり方でセミナー依頼。2004年「ケアプロデュースRX組」をスタート。
出身は青森県で、青森県中央短期大学で保育を学び保育士としてのキャリアをスタートさせた。障害を抱える子どもの保育の就職を考えるも、あまり自分には合ってないと思い、青森の市内の保育園に就職した。2年目から新人が入ってきて、ピアノを覚えなさいと先輩に言われるのだが、ピアノはできない。次第には自分が受け持つ組はめちゃくちゃになってしまう。それを見かねた園長に呼ばれて、大型免許を取って送迎をやらないかと提案された。
当時を振り返ると嫌々やっていた自分がいたとき、劇団飛行船という人形劇団がやってきて、それを見たとき、楽しそうだと思った。自分は果たして保育を楽しんでいるのか。そう自問自答し、それから自分が楽しもうと決心。すると子どもたちが付いて来てくれるように変わった。青山先生と遊ぶのが楽しいと言ってくれ、自分ができるサッカーや拳法を教えた。オープン保育で子どもたちにも得意な分野を選んでもらいたいと思った。それをきっかけに再びクラスを受けもった。
ある日、祖父に癌が発覚し、介護の仕事をしようと思い、3年間勤めた保育士をやめ、介護福祉士の資格取得のため一年間母校へ復学。それから介護福祉士として介護老人保健施設で働きだす。しかし効率化、公平性だけを求める管理的な介護に嫌気をさしてしまう。1人のおばあちゃんを元気にしたいと思った。そして特別扱いをしていくことになるのだが、結局おばあちゃんを幸せにできないまま介護をいったん離れることになる。
川崎市でタクシー運転手をしながら、さまざまな介護施設を見学したりボランティア体験したりし、自分の中での介護観を確立していく。青森に戻り介護長として働き出す。介護の機械に頼らないで、ふつうのお風呂に入ること。食事も介護食ではなく普通の食事を食べることを実践していった。おじいちゃんもおばあちゃんもどんどん元気になっていった。その取り組みはやがてテレビや雑誌で紹介されていく。
2004年、自身が築いたスタイルをもっと広めるために『ケアプロデュースRX組』設立した。名前の由来は、保育士時代に仮面ランダーブラックRXが流行していて、最強の「RX」。組は仲間という意味を込めている。、頑張りきれない人が世の中にいて、弱い人を強い仲間にしようという想いから名付けた。公式サイトにはあるエピソードが掲載せれている。四国出身で寝たきりのおばあちゃんの夢は、青森から遠く離れた愛媛にあるご主人のお墓参りだという。機械に頼らずトイレや風呂、食事をする練習を繰り返し一緒に行った。はじめは上手く出来ず、どうやってやるかを考えるのがプロだろうと何度も怒られた。
ある日寿司を食べたいというので、買ってくるとまた怒られて、お前の分も買ってこいと二千円渡された。おばあちゃん曰く、好きな人と食うのが美味しいんだと。最後その施設を離れるとき、おじいちゃんの形見だったというちゃんちゃんこを自分にくれたそうだ。介護はリスペクトしないと出来ないと青山さんは語る。その人の暮らしを実現したい。それは各一的な介護サービスではない。生きる目的が必要だと気づいた。現在は全国の施設を回りながらアドバイスを行い、自身の体験で培ったノウハウを伝えている。
地域を守ってきたお年寄りが主役になる施設づくり、地域づくりをしたい。
千葉県旭市に「みらいあさひ」のディサービスと特養をプロデュースしている。お年寄りや障がい者が元気になる楽ワザ介護技術の継承。地域づくりをしていきたい。したいことを応援する。特養は最後の住処ではなく、活躍する場にしたい。知恵を学べる場所、暮らしができる場所になる。
旅、車中泊
■著書
『力愛不二(りきあいふに) 』(雲母書房)
『ひとり浴改革完全マニュアル』( 関西看護出版)
『おむつに頼らない排泄介護術』(雲母書房)
『青山流 楽ワザ介護術』(廣済堂あかつき出版)
・介護の相談、脳の可塑化を助ける楽技を教えます。 |
※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。
富山市からみた立山連峰
弘前城から見た岩木山
・片平 塁(楽天堂)
※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。
片平塁さんからの紹介でインタビュー。テレビや雑誌でも紹介される方だと教えてもらい、そんなに忙しいたが話ししてくれるのだろうかと半信半疑でありましたが、すごく優しくて話しやすくて、楽しい時間を過ごさせていただきました。(野田)
インタビュー・野田国広(編集部) グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。野田国広の記事一覧 |