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【東京】佐瀬優子(アトリエ言景)

ドイツに留学以降は大学の教職などに就き、結婚出産を経て、現在は大田区池上でブックスタジオの一棚本屋「はいくや」など地域で活動している佐瀬優子さん。

プロフィール

千葉市に生まれ育つ。東京大学大学院社会基盤工学専攻修了後、ドイツ・ダルムシュタット工科大学に留学。同大非常勤講師を経て、帰国後は、名古屋大学国際環境人材育成プログラム特任助教に着任。2011年、出産を機に退職し、その後しばらく「育児ときどき通訳・翻訳」の日々を送る。2016年からは、それに加えて、土木デザイン設計事務所、株式会社EAU(文京区)の事務系スタッフとしても勤務。

2011年より大田区池上在住。最近では、地元にオープンしたシェア型本屋ブックスタジオにて一棚本屋「はいくや」を開設。この小さな棚を拠点として、本の販売のみにとどまらない、さまざまな「場づくり」にとりくんでいる。趣味は、俳句を詠むこと、絵を描くこと、ヴィオラを弾くこと。

これからは、通訳・翻訳業務でスタートした個人事業「アトリエ言景」の活動の幅を広げ、「言葉のちからで風景をつくる」ことや「風景をつたえる言葉をつむぐ」ことにつなげていきたいと考えている。

20代をドイツで過ごす

千葉市で生まれ育ち、高校時代から建築や都市計画に興味を持ち始め、東大の土木工学科に進む。ちょうどその年には阪神淡路大震災が起きてライフラインの重要性を感じ、生活基盤を作るのが土木だと知ったのも背景にあり、土木を選んだ。景観研究室でランドスケープについて学び、大学院を経て2001年にドイツに留学。都市計画やランドスケープのデザインを学びたいと思い、ヨーロッパのフランスかドイツか迷うも、ドイツの方が自分に合ってると思いドイツのダルムシュタットに行った。元々クラシック音楽も好きだったのもあってドイツはすぐに馴染むことができた。

ドイツの街や人からは、機能を追求することが、結果として、いいデザインを生み出すということを学んだ。2008年に日本に帰国し、名古屋大学で国際環境人材育成プログラム特任助教に就く。ここでは、留学生向けの土木系カリキュラムの設計と運営に携わった。そして出産を機に名古屋大学を退職し、東京都大田区の池上に2011年4月に引っ越した。ちょうど東日本大震災が発生した直後でもあった。子育てをしながらの4〜5年は翻訳の仕事などを行う。

ブックスタジオの棚主になる

ある日、自宅の近所にブックスタジオができるのを知る。しかもそのオーナーがランドスケープの設計事務所であると知り、より興味を持って開業の日を待ち望んだ。育児期間中から「アトリエ言景」という個人事業の屋号を掲げているのだが、「言葉」と「風景」は佐瀬さんの2大テーマであり、そのブックスタジオの棚を借りることで、地域のコミュニティづくりにも関わりたいと考えた。

オープンと同時に一棚借りて、趣味の俳句をテーマとした本屋「はいくや」の棚主になった。棚には自分が作った俳句の本や知人の絵本も並べている。また、店番を担当するときには、子育て仲間や近所の子どもたちを巻き込んで、楽しいイベントを企画したりもしている。

俳句を始めたのは震災後、子育てに専念していた最中。きっかけは、長年俳句を嗜んでいる景観工学の恩師から「あなたには俳句が向いてる」と言われたことだった。短歌の場合は五七五七七と、最後の七七で説明することができるが、俳句は五七五で言い切り、読んだ人が想像を膨らませる余地が大きい。自分が作った俳句を誰かが手にしてくれて、そこからまた新たなコミュニケーションが生まれたら嬉しいと思った。また、俳句を始めてから、たくさんの美しい季語を知った。言葉一つで、風景が広がる。素晴らしい文化だと思う。日本語の発見と、言葉の力を感じた。

これからどうしていきたい

池上で人と繋がって、街を楽しく盛り上げていく。

言葉の力で景色をつくっていく。

ファシリテーター、イベント、コミュニケーションから風景を作っていく。

風景を言葉で発信していく、街の魅力を発信。

パッションポイント

俳句、クラシック音楽(ビオラ演奏)

公式サイト、出版物など

Facebook  アトリエ言景

Twitter  はいくや

チケット(私のできること、得意なこと)

・ドボクの眼で街の魅力を案内できます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

池上梅園
東京都大田区池上2丁目2−13

お気に入りの場所(アウェイ)

ミュンヘン

つながり

アベケイスケ(Baobab Design Company)

小林潤(さるうさぎブックス)

小笠原浩幸(みちくさ設計事務所)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

アベケイスケさんからの紹介でインタビュー。池上界隈の方といい感じで繋がっていってて、また雰囲気もよくてお話聞いてても池上は魅力的な人が多いと感じました。俳句今度読ませていただきます!(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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