東京から鹿児島県薩摩川内市にUターンをし、まちづくりの仕事や旧ボート倉庫をリノベーションした週末マルシェなどを企画した田尾友輔さんにインタビュー。
鹿児島県薩摩川内市出身
友ダンジェロ(有)代表取締役、SOKO KAKAKAプロデューサー、鹿児島県立松陽高等学校美術科非常勤講師
多摩美術大学環境デザイン科を卒業後、大手組織設計事務所に就職。東京都内で再開発事業やランドスケープ設計などの経験を積み、都内の企画設計運営を手がける企業に就職し2017年に地元である薩摩川内市にUターン。同年から川内川を日常的な居場所とすることを目的として「リバーフロントマルシェ」の代表を務め、発展的な継続開催を実現。2020年12月にクラウドファンディングを実施し川内川沿の空き倉庫を改修し、年に1度開催のリバーフロントマルシェの目的をより具体化させた施設「SOKO KAKAKA」を立ち上げる。2021年から独立し、薩摩川内市に滞在しながら市内外のあらゆる企画コンサル業務に従事している。
多摩美術大学を卒業後にランドスケープ設計の会社に就職。地元の薩摩川内(さつませんだい)で新しい風景を作りたいと考えてUターンしてきた。薩摩川内市は薩摩半島北部にあり、九州新幹線の停車駅もある人口9万人ほどの町で、原子力発電所があることでも知られる。地元に帰ってきてエネルギー事業の推進としてスマートハウスを設計しUDSで運営していた。施設の運営でスマートハウスコーディネイターが企画・提案して、市民と対話しながら未来の暮らしのきっかけにつながる「フューチャーセンタープログラム」や、スマートハウス体験を通して、暮らしのアイデアを発見できる「ワークショッププログラム」を行った。
地元に帰ってきて友人に薩摩川内のことを聞くと、この街はないもなくて面白くない。休日は市街地に遠出するという答えが返ってきた。そこの言葉で地元について考えるきっかけとなったそうだ。こうした状況から薩摩川内市の新しい魅力や誇りを自分たちの手で創り出したいという気持ちが強くなる。2015年から市内に流れる川内川の河川敷を会場に、「リバーフロントマルシェ」を開催。70店舗の出店者と2,000人もの来場者で賑わった。マルシェの始まりは市役所と農家がディスカッションをし地産地消のマルシェをしたいという話から始まった。
第4回目から田尾さんが引き継いで運営を行うことになった。しかし次第に農家の方たちがマルシェをやっても農家と飲食店とのつながりもなく、準備の負担が重荷に感じるようになった。マルシェは継続したが農家が出店しない形で5回目を迎えた。そこでコンセプトから見直すことになる。マルシェを特別なイベントではなく、日常的にみんなが集い、過ごせる場所として定着させたいと考えた。そして年1回の開催から毎週末の定期的な開催へとステップアップさせていくことになった。
まちの真ん中を流れる川内川、その川をまちのシンボルにしようと思った。その拠点を作りたいと思っていた時、ボート競技団体の艇庫だったレガッタハウスを見つけ、市役所に相談してリノベーションして使えることが決まる。クラウドファンディングで資金調達をし、倉庫を改修して毎週末マルシェを開催できる場所に再生した。「川沿いからまちを盛り上げる」 拠点として、新たな賑わいの創出を目指すプロジェクトSOKO KAKAKA(ソーコカカカ)を立ち上げた。
「カカカ」という名前は、「川で人が交わり、まちが変わる(川る、交わる、変わる)」の頭文字から命名し、川内川からいろんな人と共にまちを変えていくという思いが込められているそうだ。これまでのマルシェに出展していた方のみならず、初めて出店を希望する方でも挑戦できる、週替わりのポップアップストア方式のマルシェを開催した。マルシェ以外にも、夜にライブイベントをやったり、アート体験なども開催している。
倉庫を、これから自分が関与しなくてもいいようにしたい。誰かが運営してくれて、出店も実店舗前のチャレンジショップとして使って欲しい。
相談もらって考えるのが楽しい、育児、1人キャンプ
Instagram (@soko_kakaka)
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※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。
倉庫から見える川内川の河川敷
仙川
東京都調布市仙川町
・深尾善弘(滋賀人)
・塚原諒(ツカオ考務店)
・岡部真久(クロマツプロジェクト)
※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。
深尾さんからの紹介でインタビュー。川がある町の風景は好きで、その川を町のシンボルにしようと倉庫をリノベーションしたり、そこを拠点にした人で賑わう場があるのは素晴らしいなと、お話を伺って思いました。隣接する出水市は母方の故郷でもあるのでいつか遊びに行きたいです。(野田)
インタビュー・野田国広(編集部) グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。野田国広の記事一覧 |