みんなが欲しい”まち”の遊び場ってなに?グリーンズ植原正太郎さんに聞く

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12回目のゲストに、グリーンズの植原正太郎さん

NPO法人グリーンズのgreenz.jpが10周年を迎え、それを記念して全国を巡回する「出前グリーンズ」の一環として企画された今回のグリーンドリンクス川崎。ゲストにはグリーンズで主にグリーンズピープルと呼ばれる寄付読者会員の担当をしている植原正太郎さん(写真右)をゲストにお招きした。

植原正太郎さん(NPOグリーンズ people事業部マネージャー)
88年、仙台生まれ。
大学在学中、ライターインターンとしてgreenz.jpで記事を執筆。卒業後、デジタルマーケティングのコンサルティング会社に入社。2014年10月よりグリーンズにスタッフとして参画。ウェブマガジン「greenz.jp」の寄付読者制度「greenz people」を担当し、日本初の寄付型メディアづくりに挑戦中。ライフワークとして、東京の武蔵小山で「風邪で倒れた時にお粥を届けあう」助け合いの地域コミュニティづくりに励む。

グリーンズってなに?

世の中のいいアイディアを発信するウェブマガジンgreenz.jpを運営しているNPO法人グリーンズ。「一人ひとりが『ほしい未来』をつくる、持続可能な社会」をめざして活動している。greenz.jpは2006年から、5,000以上の、「ほしい未来をつくる」人、組織、考え方を紹介。また、社会的テーマに興味がある人と人がつながるイベントgreen drinks Tokyo、一歩を踏み出し、ともに学び、かたちをつくっていくグリーンズの学校を主催している。

川崎のクラフトビールと食事で乾杯

武蔵新城駅の近くにある新城テラスを会場に、19時から開場し川崎のクラフトビール・ブリマーブルーイングと武蔵新城しましょくさんの食事と一緒に乾杯をしスタート。

おかわりのお酒やお菓子もたくさん用意された。

ゲストトーク開始

はじめにグリーンズの紹介。環境系の問題にアクションを起こすポジティブな人を紹介して行くウェブサイトを運営し始め、現在は街づくりの課題なども紹介する。

キャッチフレーズは、ほしい未来は、つくろう

グリーンズで紹介された事例紹介

横浜市戸塚区で電力会社に頼らず、太陽光パネルの自家発電だけでオフグリット生活を実現した佐藤隆哉さん

生活保護やホームレス問題と放置自転車問題を一気に解決した女子大生の取り組み、HUBchari(ハブチャリ)

入場料は「ロン毛」? メタルファンの髪で、がんと闘う子どもたちのウィッグをつくるライブイベントhiarfest

などどれも新しいアプローチから社会的な課題の解決をした事例で、参加者からは共感の声があがりました。

グリーンドリンクス東京も企画

2007年から海外でムーブメントとなっていたグリーンドリンクスを東京で開始。それから全国でも様々な地域でグリーンドリンクスが巻き起こって行くと2010年から事務局としてグリーンドリンクスジャパンを発足された。

グリーンドリンクスひばりヶ丘では、団地の建て替えによって、新旧の住民の交流が課題となり、その解決方法として開催。千葉県松戸市のグリーンドリンクス松戸では、田んぼを自分たちの手で耕して自給自足の生活を実現。グリーンズの代表でもある鈴木奈央さんがオーガナイザーも務めるグリーンドリンクスBOSOでは太陽光パネル工作を行なっている。

そのほか京都や静岡、岡山などでもグリーンドリンクスが開催(グリーンドリンクスサミットのレポート参照)

情報の発信だけにとどまらず、学びの場としてオーガナイザーの育成や、コミュニティ経済や地域通貨について学んだり、エコハウスDIYについて学び実践したりとグリーンズで紹介した取り組みが全国の地域で実践できる仕組みづくりも行なっている。

“まち”の遊び場ってなんだろう

今回のグリーンドリンクス川崎のテーマでもある、”まち”の遊び場。2017年を迎えて一気に川崎駅周辺や武蔵溝ノ口、武蔵新城でリノベーションが活発になってきた。実際にほかの地域ではどんなことをしているのか紹介があった。

大阪市の「北加賀屋みんなのうえん」では、空き地を市民農園として活用していて、いろんな職種の人々たちによってアイディアが持ち寄られ、企画を実現している。

前橋市のシャッタークエストは、商店街のシャッター通りを明るく楽しいイベントを企画して街を盛り上げた。新規で開店するお店があれば、開店日にテープカットをみんなでやったり、シャッターをのぞくと、中に商店街で使えるクーポンが掲示してあったりと若者たちによる斬新なアイディアが生まれた。

また同じく、前橋○○部は、「〇〇したい!」という人が集まり、繋がって実現するための「場」を作り出した。

家の軒先を公開し、そこで販売したり、交流できる場を生み出した「武蔵境アンモナイツ

埼玉県さいたま市でシカテ一畳マーケットをやってる佐藤さんは、週末使っていない配送センターの敷地を活用しフリーマーケットを企画。イベント告知のチラシの裏面には、その配送センターのバイト募集こチラシとしてデザインしウィンウィンの関係も作った。

品川駅近くにできたシーズンテラスに隣接する公園では、品川オープンシアターと題し、野外映画上映会を企画しオフィスで働く人だけでなく、港南地区に住んでる住民たちとの交流の場としても話題になった。

今回のゲスト植原さんが住まいの武蔵小山では、MKN(武蔵小山ネットワーク)というグループを友人たちと結成し、誰かがカゼで倒れたら、ちゃりでお粥を届に行ける人間関係づくりをモットーに地域住民同士の交流機会を作った。

このように、すでに街にあるものとグッドアイデアで、遊び場になるという。

川崎の遊び場は?

今回、司会の松田さんは武蔵溝ノ口の不動産屋さんで勤務。梶が谷駅近くの賃貸マンションの屋上で映画上映会を企画した事例を紹介。また会場のオーナーでもある PASAR SHINJO(パサール新城)の石井さんはもともとマンションの1階駐車場をリノベーションし、カフェやパン教室、イベント会場に活用した事例をを紹介した。

グループセッションから生まれたアイディア

おにぎりスタンドを作って、いろんな食材などで自由におにぎりを作れるスタンドを作りたいというアイディアや、キャリア世代が次の日常をつくる場として500円バー(深夜食堂)を街に作りたい。またレゴで遊べるレゴカフェ、月2万円の会費で栄養管理してくれる食堂、電車を貸し切って電車内でマーケットを開くアイディア、区役所がやっていない時間帯、週末を使う案、自転車による人力発電を活用して美味しいうどんをみんなで作る案などテーブルごとにたくさんの企画が飛び出した。

中でも大きな反響だったのは、市立中学校の給食をみんなで食べる企画(最近、川崎市では市立中学校の学校給食がはじまり、タニタ食堂監修メニューなど実施している)や昼寝できるシエスタスタジオ、バッティング銭湯(真っ裸でバッティング練習するわけではない笑)といってバッティングセンターと銭湯が合体した施設などの案も会場を沸かせた。

グラフィックレコーディングでイベントを記録

イベントの始まりから、グラフィックレコーディングという手法で記録してくれた原田雅さんから、最後にまとめの発表があり、会を振り返りながらあっという間の3時間の余韻を楽しんだ。

グラフィックレコーディングとは会議での議論や流れを視覚化し、参加者へ共有する手法で、最近は大小いろんなカンファレンスなどでも取り入れている。

最後にみんなで記念撮影。はじめから最後まで熱気あふれる雰囲気の中、大盛況のうちにイベントは終わりました。グリーンズの話を楽しみにしてきたという参加者が多く、満足げに話してくれた。

日々いろんなアイディを発信し続けるグリーンズを、まだ見たことがない方は是非チェックしてみてください。

参加者の小池さんによるブログレポート

グリーンズ植原さんがゲストのgreen drinks kawasakiに参加して良かった事

グリーンズの本

normanjp