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【川崎】那須野純花(green bird 武蔵小杉チーム)

イジメをきっかけに川崎を一度離れるが、ボランティア活動をきっかけに川崎を愛し、川崎のために活動の場を広げていく那須野さん。ゴミ拾い活動のみならず、かわさき若者会議や消防団など、地元愛あふれるインタビューです。

プロフィール

1997年大阪府東大阪市生まれ。幼少期の頃から神奈川県川崎市に移住。グリーンバード武蔵小杉チームのリーダー、川崎経済新聞ライター、最年少耳つぼセラピスト。2021年に、かわさき若者会議を立ち上げる。

ゴミ拾いから地元消防団、防災の絵本

武蔵小杉でNPO法人グリーンバードの武蔵小杉チームのリーダーとして2015年から率いってる那須野さん。グリーンバードは東京・原宿でスタートしたゴミ拾いボランティアで、全国各地で活動を広げている。リーダーになったのは18歳の頃だった。卒業後は広告代理店に勤務。耳つぼセラピストの資格もとったり、川崎経済新聞のライターもたったりマルチプレイヤーぶりを発揮している。しかも地元の消防団にも入り、心肺蘇生法講習や訓練礼式、ポンプ操法訓練を受けたという。彼女を知る人から見たら、いろんな活動をしている姿は不思議ではないのだが、知らない人にはそのマルチっぷりに驚いてしまうでしょう。

なぜ消防団に入ったのか尋ねてみると、令和元年に起きた川崎市の台風被害がきっかけだそうだ。武蔵小杉駅周辺が冠水し、一軒家やマンションの入口には水没した電化製品や家具があった。土砂撤去の手伝いで駆けつけたが、風が吹くたび砂埃が舞い、健康にも悪影響を及ぼす恐れがあったのだが、なにも知識もなく、自分が手伝いたくても何も出来ないと感じた。そこで防災や災害の知識、実働経験を積んで、地域の力になりたいと消防団に入団したという。

東日本大地震から10年目を迎え、下の世代にも防災について分かりやすく伝えていきたいと考え、防災の絵本を企画、これからクラウドファンディングでの挑戦を目指しているそうだ。防災の絵本は、川崎市内の小学校に寄贈したいと考えてると話す。自然災害にあっても隣近所の助け合い精神が薄らいでいく社会。日頃のコミュニケーションやお互いを敵視しない環境が、コミュニティの役割だと感じ、大いに興味が強くなった。

高校生とフィールドワーク

ある日、高校の先生だった方から、外部講師として授業に関わって欲しいと言われて、市立川崎高校で課外授業の担当にもなる。これまでマルシェやゴミ拾いを行ってきた経験をもとに、高校生達が地元の商店街を活性化させるために、本やインターネットなどを使って情報収集したことだけでなく、実際のフィールドワークを通じて街の人と会話して、話を聞き出して気づいたことなどを模造紙などにブレストしてもらって、そもそも「いい街」や「すみやすい街」とは何か、地域に目を向けるきっかけづくりを目的に行っていたそうだ。

那須野さん自身もグリーンバードを始めたのは18歳の頃だったので、学生たちが街に目を向けて、川崎のことが好きになってくれる子が増えればいいなあと思ってはじめた。川崎高校の他にも、高津高校定時制での授業では、川崎市長選の時期も重なり、主権者教育として選挙に行くことをテーマに授業したり、キャリアデザインとして4回身近なロールモデルになるであろうゲストを呼んで授業したそうだ。

イメジ体験から、自分の居場所探しがはじまる

小学4年から中学卒業まで6年間イジメに遭っていた。時には警察が学校に来るほどの激しいイジメもあったそうだ。そして高校は、川崎から逃げるように都内の高校に進学。それまで地元に友達がいなくて寂しい思いをし続けていた。高校に進学して、環境が変わった事で友達ができ始めていき、自身もついてきたそうだ。

高校ではテニス部に入り、家と学校の往復に物足りなさを感じ、学校以外の友達が欲しいと思い、フェアトレードのボランティア活動を始めた。その時に出会ったのがグリーンバード。学生チームのリーダーを引き受けるようになっていくのだが、「やるなら地元でやってみたい」「地元を好きになってみたい」と高校3年で武蔵小杉チームを立ち上げた。いろんな人たちが参加してくれ、人の温かさに触れて、初めて地元に居心地の良さを感じられたと話す。自分の居場所を見つけた瞬間でもあった。

グリーンバード(green bird)は、「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに誕生した原宿表参道発信のプロジェクト。合言葉は“KEEP CLEAN, KEEP GREEN.”。全国にチームが拡大している。

引用:公式サイト

 

それまではネガティブ思考だったので、ずっと逃げてきたと話す。武蔵小杉チームを立ち上げる時に、先に発足した川崎駅チームの田村寛之さんに相談し、武蔵小杉チームはスタートしていく。そこから興味があったことをどんどんやりたいと加速度的に活動範囲が広がっていく。地元川崎に対するマイナスイメージも消え、武蔵小杉駅前でマルシェを開いたり、小泉農園での『農園フェス』にも積極的に参加した。

地元の魅力を発信したいとの思いで、川崎経済新聞のライターをはじめたのも、その頃だった。グリーンバードを始めてから、約5年間で、地元を拠点に活動するプレイヤーたちが変わってきたと感じているという。最近は自分のスキルを活かして活動する人が増えてきて、その活躍できるフィールドも増えてきたそうだ。

みんなの居場所をつくりたい

若者たちの横のつながりを作り、同世代が悩んだ時に相談できるコミュニティを作りたいと、『かわさき若者会議』も発足した。実はこの『かわさき若者会議』は2017年にも立ち上げようとしたが、仲間たちがそれぞれのベクトルに向かっていてたことで空回りし、自然消滅したことがあった。今回は、みんなの居場所づくりを目指し、心許せる仲間が集まる場を作りたいという。

武蔵小杉でのグリーンバードもゴミ拾いをやってるものの、あくまでもゴミ拾いはツールであって、コミュニティであると語る。一緒に集まり他世代が会話しながら時間を過ごせるコミュニティである。チーム発足から6年やって、まちの人たちと関われて、自分自身も大きく成長できたと話す。地域のこと、政治のことなどに目が向く様になったという。現在は毎回3分の1くらいは初め参加する方が増えてきて、月に1回の自分たちの居場所だと思ってきてくれるボランティアもいるそうだ。

これからどうしていきたい

若者たちに、まちの活動に興味を持って欲しい。またそうした人が増えて欲しい。川崎のまちづくりに関わることを続けていきたい。また防災の絵本も実現していきたい。

パッションポイント

街歩き、ランニング、美味しい店、ハイボール、鹿島田のクラフトビール

公式サイト、出版物など

Twitter( @aya_nasuno )

チケット(私のできること、得意なこと)

・若者と街の人をつなげます
・川崎市内でのイベントなどお手伝いします

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

多摩川見晴らし公園
神奈川県川崎市幸区幸町2丁目

お気に入りの場所(アウェイ)

オーストリアのサイライズビーチ
Sunrise Beach, Queensland 4567
オーストリア観光サイト

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つながり

中野絢斗(かわさき若者会議)

・RAM(ブレイクダンス)

・三浦淳 (川崎市役所)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

あやちゃんとはグリーンバード武蔵小杉チームが立ち上がる前に出会い、5年ぶりくらいに話を伺いました。当時は川崎駅チームの立ち上げに関わっていていた時、18歳の子が新しくチームを率いるという話を聞いて、すごい子がいるんだなと関心してました。それから急成長するようにあっという間に駆け抜けて行ったのを覚えてます。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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