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【北海道】名塚ちひろ(ゲストハウスコケコッコー)

生まれ育った釧路の魅力を発信したいとUターン。ユーモアあふれるデザインの力で課題解決したり、ゲストハウス運営やガイドブック発行まで、精力的に活動する名塚さんにインタビュー。

プロフィール

1986年釧路市生まれ。公立はこだて未来大学大学院修士課程修了。2011年富士通株式会社入社。デザイナーとして社会インフラシステムのデザインや新規ビジネスのプロモーションに携わる。2014年に高校時代からの友人とともに市民団体クスろを設立。主にWEBや紙媒体の制作を担当。月1で東京と釧路の往復を続けていたが、2016年、釧路での活動が楽しくなってしまい、富士通株式会社を退職しUターン。フリーのデザイナー・カメラマンとして活動する傍ら、釧路に訪れる人を少しでも増やしたいとの思いから、2017年釧路市阿寒町にて「ゲストハウスコケコッコー」をオープン。 2019年、道東の仲間とともに一般社団法人ドット道東を設立。道東のガイドブック「.doto」をはじめ、道東のクリエイティブに精を出す。

市民団体クスろ

フリーランスでデザインの仕事をしながら、旦那さんと釧路市阿寒町でゲストハウスコケッコッコーを運営している名塚さん。市民団体クスろ、社団法人ドット道東の理事もやってる。生まれは釧路市で、大学は函館にある「公立はこだて未来大学」で、2011年の東日本大震災が起きた年に上京し、川崎の富士通に入社する。富士通では主にUIデザインを担当していた。災害系のソリューションを中心に監視システム系のデザインや防災アプリなどにも携わっていたそうだ。これまでは順風満帆な人生のように思えるが、社会人2〜3年目に壁にあたる。自分には向いていないかもと悩み始めたと語る。学生時代のように熱中する何かが欲しいと、先に地元に帰って行った友達に相談し、釧路を拠点とする市民団体クスろを立ちあげる。

仕事ではWEB CMなども企画していたそうだが、格好いいデザインはたくさんあるけど、おもしろいデザインは少なく、釧路らしさを出すなら、格好いいよりおもしろい方が効果的だと考えて「くしろにもっとユーモアを!」というビジョンで、北海道釧路エリアを拠点に2014年から活動を始めた。メンバーは学生や社会人が中心で10人くらいで構成している。

2017年には、東京のシブヤ大学で「街の期待値を上げる地域の顔づくり〜本気度を駄洒落で隠す市民団体クスろ」という授業を開催。課題解決の取り組みや「ひと」にフォーカスした地域の賑やかし、釧路という地域や移住について語り、参加者からは移住したいという声もあがったという。普段のシブヤ大学の参加者は女性が多いそうだが、この日は男性が半分を占めていたそうだ。

シブヤ大学 授業レポート

シブヤ大学では、いくつか活動事例を紹介。「サーセンキョ!」は選挙を身近に楽しむ釧路地域の若者を増やすためのプロジェクト。ネーミングの由来は、「今まで選挙に行ってなくてサーセン!」と「さあ、選挙に行こう!」という言葉をかけているそうだ。若者たちのインタビューやマンガで不在者投票、期日前投票の方法を解説したりしてる。

サーセンキョ!ガーデン レポート

また、フリーペーパー「ひと」めぐり帖の発行も行っている。これはWEBサイトの記事を元にフリーペーパー用に再編集しているものだ。現在はクスろの拠点「米町ふるさと館」とクスろオンラインショップで入手できる。

「ひとめぐり帖 vol.9」発刊のお知らせ

釧路市阿寒町でゲストハウス

Uターンで戻ってきて、1年後。釧路市阿寒町にある築65年の元旅館を再生して、2017年7月にゲストハウスコケコッコーがオープンした。どこか懐かしい雰囲気と「おばあちゃんち」のような佇まい。朝の始まりを感じさせるコケコッコーの鳴き声のように、この場所から新たな1日が始まってほしいとの思いをこめて誕生した。釧路市街から20〜30キロ離れた場所にあり、通り過ぎる街だった。ゲストハウスをやりたいと考えていた時に、知り合いが紹介してくれてオープンしたそうだ。

富士通時代はずっとデスクワークだったので、そこから肉体労働に変わり、その大変さを感じてるという。またコロナ禍でお客さんの数は減ったのだが、それでもリピーター客は増えている。コロナ禍以前まではおよそ3割が海外のお客さんで、ヨーロッパからの観光客が多かったそうだ。

道東のガイドブック「.doto」発行

道東(オホーツク・釧路・十勝)を拠点とする一般社団法人「ドット道東」は、アンオフィシャルガイドブック「.doto」の出版プロジェクトをクラウドファンディングで挑戦した。繋いできたドット(点)を顕在化するというコンセプトのアンオフィシャルガイドブック「.doto」を企画。

2018年に『道東誘致大作戦』という道東に散らばる仲間と共同でおこなったプロジェクトをきっかけに2019年5月に一般社団法人『ドット道東』を設立した。人口密度が小さく、町の距離感も離れているためデザインや写真などのクリエイター同士の連携が困難でだったため、各地のクリエイターを見える化し、相談内容に応じたプロジェクトチームを結成することで包括的なクリエイティブ支援を可能にできる。

このガイドブックは、オホーツク・釧路・十勝・根室の4地域から厳選した各25箇所とゲストピッカーによる道東情報など100箇所以上のオススメポイントを紹介した。120ページ程度で、定価は1,650円。1万部刷って今日までに7割が売れたそうだ。クラウドファンディングでは、製作を手伝ってもらうというリターンを盛り込み、企画から編集、デザイン、校閲、発送まで、およそ50人近くが参加してくれた。企画から出版まで1年くらい費やしたプロジェクトだった。瞬く間に大きな反響を呼び、2020年日本地域情報コンテンツ大賞の地方創生部門で最優秀賞受賞した。

これからどうしていきたい

阿寒町は、移住政策や情報発信を始めたばかり。街の人や行政と協力して、移住する人に向けて情報を発信していきたい。

クスろについて、今は地域教育として中学生に教えている。都会の憧れが強い子どもたちに地元の魅力を気づいてもらいたい。その魅力を発信する人が増えて欲しい。

道東について、「何か始めたい」と思った時に、選ばれる場所になりたい。

パッションポイント

犬、猫

公式サイト、出版物など

ゲストハウスコケッコッコー

クスろ

一般社団法人ドット道東

.doto オンラインショップ

チケット(私のできること、得意なこと)

釧路、同等の情報を提供、人をつなげる

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

阿寒町の橋
北海道釧路市阿寒町

お気に入りの場所(アウェイ)

多摩川の河川敷、丸子橋
神奈川県川崎市中原区

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つながり

岡田恵利子(ニアカリ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

岡田さんからの紹介で取材。事前に公式サイトなどを見てると面白い活動を見つけ、取材前から楽しみにして臨みました。クスろやドット道東、コケコッコーなどすべてネーミングも名塚さんによるものらしく、そのセンスの良さを随所に感じました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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