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【東京】薮原和雄(鶯谷ハニーラボ)

サラリーマンを続けながら、鶯谷駅近くで養蜂活動とミツバチコミュニティ「鶯谷ハニーラボ」をはじめた薮原和雄さん。

プロフィール

普段は事務機器メーカーの会社員(取材当時)。現在はコンサル役割としてお客様企業の課題解決を担当する一方、アフター5や週末は、まちづくりやアカデミック活動加えて「呑み歩き」など社外活動で忙しい日々を送っている。自称、パラレルキャリアを実践する「パラリーマン」

1番力を入れているのは、昨年から鶯谷の駅近くで始めた養蜂活動とミツバチコミュニティ「鶯谷ハニーラボ」の運営。数万匹の娘たち(働きバチは雌)のビックダディとして日々奮闘している。

社名や肩書きでなく個人として役割に気づく

東京で生まれ、中学高校は岡山で過ごした。大学進学で上京して以降、保険会社やメーカーなどで働くも職場と家とを往復する毎日を送っていた。40歳の半ばに中小機構のTIP*Sで行われていたマイプロ道場に参加。マイプロとは、「マイプロジェクト」の略で、参加者一人一人がプロジェクトをつくり、仲間と共に実現の一歩を踏み出すワークショップだ。同時期に台東区主催の勉強会に参加する機会があり、そこで自分が住んでるまちについて何も知らないことに気づく。

まずは、まちを知ることから始めようとまちのイベントに関わるようになっていく。最初に参加したのは、浅草エーランドというイベントだ。台東区の奥浅草というエリアでは国内の皮革産業の集積地である。たくさんの靴工場や革問屋、材料屋が集まっている。イベントを通してたくさんの職人や地元の社長、店主と出会った。地域のコミュニティに飛び込み、実際に行動を起こすようになって、会社名や肩書きではなく、個人として出来ることがある、自分には役割があるということに気づいた。

鶯谷で養蜂をはじめる

まちの勉強を通して、台東区は農地がゼロだと知った。農地0の台東区で農業をしたら面白そうだとふと思いついた。台東区の古い家では、屋上に昔ながらの物干し台があったり、夏はそこから花火大会を眺めたり、屋上の有効活用を行っていた。台東区にはビルの屋上やマンションのベランダなどの屋上空き地が豊富にある。ただ農業をするには人手がかかりそう…。

そんな折り、銀座ミツバチプロジェクトの田中さんの講演を聞いた際に、「屋上養蜂」というキーワードに出会った。ミツバチが人間の代わりに動き回ってくれるのではないかと閃いた。ビルの屋上、鶯谷駅周辺にはラブホテルも多く、その屋上で養蜂ができたら面白い、そこで取れたハチミツの名前は「鶯谷の秘蜜」つぎつぎにアイデアが浮かんできた。

構想は浮かんだものの、一緒に養蜂をやってくれる仲間探しには苦戦した。言い出して3年かかって、一緒にやろうと言ってくれる人が現れた。そこからはトントン拍子で、鶯谷のホテル組合長さんにプレゼンを行い、その場で自らがオーナーであるサウナセンターのオーナーの屋上を貸して貰えることになった。賛同してくれるメンバーも増えて、晴れて2021年にミツバチ一群(一箱)で鶯谷ハニーラボ開始。「養蜂を通して人とマチと自然の再接続を企てる」をスローガンに活動を行っている。

ハチミツの原料となる蜜源は、上野公園や隅田公園、谷中霊園などの公園や街路樹や個人宅のガーデニング。取れたハチミツは花によって味や色が変わる。季節の変化を目や香り舌で感じられるのがとても面白い。1年目は22キロ採れて、2年目は180キロ以上の上野の自然の恵みを収穫することができた。近所の住民から今年は梅の出来が良いと聞いた。もしかしたらミツバチたちのおかげかもしれない。

収穫できたハチミツは、マルシェで販売したり、近隣の店で委託販売をしている。ほかにもビールを醸造してるレストランで「鶯谷ハニートラップ」というオリジナルビールのコラボも実現した(ビールは季節限定)。こうした養蜂の取り組みを通じて、もっと地域の方たちとつながり、コミュニティを作っていきたいと語る。

これからどうしていきたい

養蜂を通して、都会に住む子どもたちが自然に触れる機会をつくりたい。

ハニラボやまちの活動を通して、モヤモヤしている大人が一歩を踏み出せるような後押し(プラットフォーム)を作りたい。

そして、ラブホの屋上で養蜂を実現させたい

パッションポイント

ミツバチ、ジョギング

公式サイト、出版物など

ハニラボホームページ

Instagram(@uguisudani_honeylabo)鶯谷ハニーラボ

Facebook 鶯谷ハニーラボ

チケット(私のできること、得意なこと)

・養蜂場を案内します。
・上野公園をガイドします。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

世界一周 食の旅 Hitch x kakeru ヒチカケ
東京都台東区上野6丁目2−2
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

インアンドアウトハンバーガー(LA)

つながり

白羽玲子(珈琲焙煎処 縁の木/KURAMAEモデル)

今村ひろゆき(ドラマチック)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

白羽玲子さんからの紹介でインタビュー。都市養蜂では銀座の事例をテレビなどで拝見したことがありましたが、台東区で始めた方が同世代の方だというのも驚きでした。都市の屋上活用は様々ありますが養蜂によるコミュニティづくり面白いですね。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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