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【東京】今村ひろゆき(ドラマチック)

東京浅草を始め高知県宿毛市などでまちづくりに関わる今村ひろゆきさん。

プロフィール

1982年千葉県松戸市生まれ、高知県いの町と台東区で二地域居住。カレーと旅と音楽が好き。2人の息子と妻の4人家族。

幼少時代は4年間トルコ在住、学生時代は約100日で数カ国を周遊。早稲田大学商学部卒。富士通にて国内・海外の半導体営業を経て、2006年から北山創造研究所、2008 年からエナジーラボへ転籍し商業施設の開発・再生コンサルティング従事中の2010年、週3日は会社員・週4日はドラマチックの社長の複業生活をスタートし、2014年に完全独立。

IT企業を経て、まちづくりの仕事へ

千葉県松戸市で生まれ育ち、面白い情熱的な人が多いと思って早稲田大学に進んで、マーケティングや経営戦略を学んだ。サークル活動では「泣けてくるぜ」という感動系サークルを仲間と立ち上げた。メンバーたちの誕生日をその人にあった内容を考え一生の思い出を作る活動を続けた。この活動がのちのまちづくりの原点につながることになった。また学生時代はバックパッカーで旅をし、いつかまちに関わることをしようと胸に決めていた。

2004年から一度は大企業を経験したいと考え、富士通に就職して半導体の営業に就いた。その後企画やまちづくりに近い仕事をしたいと思い2006年から北山創造研究所に転職。2年後にはそこから独立した上司についてエナジーラボへ移った。地域の役に立つ商業施設のプロデュース、設計、デザインを行う会社で、大阪阿倍野の大型商業施設に関わった。

ドラマチックが東京都府中市で運営するコワーキング・シェアキッチン・カフェ等からなる「LIGHT UP LOBBY(ライトアップロビー)」

ドラマックを起業

まちの再開発事業に関わっていく中で、まちの商店主や社会起業家など小さな動きを起こす人たちと一緒に組むことで、まちを豊かにしたいと思うようになっていく。大規模開発と小規模開発が融合する時代が来ると確信もあった。エナジーラボの社長から複業を認めてもらい、2010年から週に3日は会社員をしながら、週4日の複業生活をスタートした。同年にドラマチックを創業。浅草にある築53年の空き家をリノベーションし、1階をカフェバー、2階をシェアオフィスとして再生して「LwP asakusa(ループアサクサ)の運営を開始。そこで、地域のいろんなゲストを招いて開催した「隅田川ジャンクション」「台東スタディーズ」というイベントの開催や地域との協働、情報発信やメディア掲載など行った。

浅草エーラウンド

浅草でやっていたイベントに奥浅草の皮革業界の方たちがきてくれたのをきっかけに、2013年から「浅草エーラウンド」と題した企画を開始。奥浅草は150年以上続く革靴の生産地でもあった。革靴づくりの現場などを巡り、モノづくりの魅力を伝えるツアーイベントやマーケットを始めた。そして2014年に「まちづくり会社ドラマチック」をつくり完全独立を果たした。ドラマチックの名前は、わかりやすくインパクトのある名前がいいと考えてつけた。一生ワクワクする一生の思い出がキーワード。学生時代に思い出作りのサークルをやっていたことが事業へとつながった。

SOOO dramatic!とreboot

ある日、入谷の空きビルオーナーからまちづくりに活かして活用したいとメールが届いた。かつて家具屋だった建物の1階を「SOOO dramatic!(ソードラマチック)」という名のイベントスペースにした。コンセプトはワクワク広がる現代の公民館。まちの人たちの広場であり、気になることをとことん追求する学校、子どもたちの遊び場、帰宅前の会社員が立ち寄るサロンのようにしたいと考えた。演劇からトークイベント、マーケットなど年間400回のイベント(1・2階合計)が生まれている。

SOOO dramatic!のマーケットの様子。日によって様々なイベントが開催される文化拠点となっている

2階は、コワーキング&シェアアトリエ reboot[リブート]。まちの人たちのプロジェクトや活動のはじめの一歩から2足のわらじなどができる場にし、入居メンバー同士の仕事のコラボレーションや友人関係など様々な協働が生まれているという。

千葉県習志野市で運営する公共施設「フューチャーセンターならしの」地域活動を担うメンバーが200名以上登録され、様々なイベントやサークルがここから誕生している

宿毛まちのえき林邸

まちづくりは東京都内にとどまらず全国各地でも展開をし、高知県宿毛市では、農商務大臣や逓信大臣を歴任した林有造氏が明治22年に建築した邸宅を改修して、新たな歴史観光施設として、また市民の交流拠点施設として2019年にオープンした施設。地域で活動してる職人さんのグループ展をひらいて地域の人に発信している。

人口2万弱の町に、月約2000名が訪れるようになった「宿毛まちのえき林邸」。指定管理を受け公共施設の運営と共に、自主事業でカフェも経営している

まちの作戦会議

休眠預金等活用事業の実行団体に選出され、月の一度「まちの作戦会議」というイベントを開催している。これは地域の課題をみんなで共有しようというもので、ゲストに毎月来てもらって、地域の現状を話してもらっている。さらに今後は、宿毛市でまちづくりの財団を立ち上げる準備中で、地域の課題の解決する、応援する、挑戦する人を後押しする。課題をみえる化し、人口減少や少子高齢化時代の地方都市においてもワクワク暮らし続けられる、市民主体のまちづくりの取り組みを目指す。

 

これからどうしていきたい

場の運営を続けていく。

普通の人が社会を変える、いろんな人たちが、得意分野を発揮しやすい社会になったらいいと思ってる。その人の個性で社会が変わったり、その流れを作っていきたい。

活動人口が増える、どの町でもやっていきたい。地域を面白くする、した支えをするプラットフォームを地域ごとに作る。会社の中で小さな感動を埋め込んでいきたい。

パッションポイント

キャンプ、釣り、子育て

公式サイト、出版物など

公式サイト

チケット(私のできること、得意なこと)

・関わってる地域の面白い人を教えてます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

台東区の路地

墨田区

お気に入りの場所(アウェイ)

高知県の大自然

つながり

薮原和雄(鶯谷ハニーラボ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

萩原和雄さんからの紹介でインタビュー。以前からお名前は拝見したことがあり、やっとお話を聞けました。優しい口調が印象的で安心感を感じる温かみがある方だなと思いました。またお話を聞かせてください。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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