100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【埼玉】赤井恒平(Akinai)

メディア制作会社を経て、地元の埼玉県飯能市に戻り空き店舗などの再生やローカルメディアはんのーとを運営する赤井恒平さん。

プロフィール

Dig 代表 / AKAI Factory代表 / 株式会社Akinai 代表取締役

埼玉県飯能市生まれ。2006年リクルートメディアコミュニケーションズ入社。結婚情報誌「ゼクシィ」の制作ディレクターとして、結婚式場やジュエリー・ドレスショップの広告企画・ディレクションに携わる。2011年に退職後、フリーライター・カメラマンとして独立。2016年に飯能にて工場跡地を複数のアーティストが共存するシェアアトリエとして改装した「AKAI Factory」をスタート。2017年には飯能銀座通り商店街の空き店舗を利用したコミュニティスペース「Bookmark」、2022年に時間貸コワーキングスペース「Nakacho7」をスタート。2023年は循環センター「フカダヤ」をオープン予定と、広告制作のかたわら空き家・まちづくり事業も行なっている。

工場跡地をシェアアトリエに

埼玉県飯能市で生まれ育った。父は精密機器のプレス金型製造やプレス加工を営んでいた。小さな頃から理系が好きで将来はロボットを作りたいと考えていた。明治大学の理工学部に進むが、大学2年で数学の勉強をサボってしまうと周囲についていけなくなり、卒業後はロボットの道ではなく、宝石や美術品の卸販売会社に就職した。3年勤めたのちリクルートメディアコミュニケーションに転職。結婚情報誌の地方版制作を4年やっていくうちに、地方が面白いと思うようになった。そして30歳になる頃に実家を継ぐため、飯能市に戻った。

平日は赤井製作所の仕事をしながら、土日に個人事業として撮影やライターの活動をはじめた。2016年に、駅前にあった築80年の赤井製作所が移転。元あった場所にマンションを建てようかと父は考えていたが、この建物を壊すのはもったいないと思い、自分でシェアトリエとして使わせてもらうことにした。一時はアートに関わる仕事もしたいと思ったことがあり、工場跡なのでアトリエとして、作家たちを集めて「AKAI Factory」をスタートした。

アトリエは100坪の広さで一部2階の建物。古き良き空間を使ってもらい、内装は借主たちに任せている。そこにアクセサリー、画家、木工作家、和紙造形作家、機織り、革細工、コーヒー焙煎士たちが入居している。

相次ぎ空き家をリノベーション

「AKAI Factory」ができて1年後に、元古本屋だった場所を「若い人が集まる場所にしたい」と大家さんから相談され、設計事務所をやってる知人と一緒にやろうと声をかけてチームを編成。そこにコミュニティスペース「Bookmark」を開業した。みんなのお気に入りをコンセプトに、イベントスペース、シェアオフィスが入る場で、人が入りやすく、まちに関わりたい人たちと、まちについて語り合うイベントも企画した。

2020年以降のコロナ禍で、リモートワークが浸透してき始めた頃に民家を使って「無人コワーキングスペースNakacho7」を開始。スマートキー対応にして無人運営できるようにした。続いて元金物屋の場所をリノベーションして「リサイクル循環ショップ・フカダヤ」がオープンと相次いでまちの再生に取り組んでいる。運営組織は、有限責任事業組合Akinai(あきない)として設立。飯能の空き家を活用して街を盛り上げたいと考える5人で立ち上げた。

ローカルメディア「はんのーと」

さらに、沿線の西武鉄道とローカルメディア「はんのーと」の編集も開始。秩父観光のみならず飯能の魅力を情報発信するメディアとなった。2023年3月25日には、西武池袋線とJR八高線の間にある引き込み線跡の空き地でマルシェ開催すると、雨のなか800人が集まるほど大盛況イベントになった。

これからどうしていきたい

飯能を自慢できるようなおもしろい街にしていきたい。「アーティストが多い」をコンテンツとして表層に出す小さな個人商店が成り立つ仕組みづくり。

「まちづくり業」として収益を上げ、雇用を生み出せるようになりたい。

アートを「観るもの」ではなく「買うもの」として認知させていきたい。有名無名問わず、自分が好きだから買う、という風土づくり。これがアーティストの支援につながるのではないか。

パッションポイント

きのこの写真を撮ること。 

公式サイト、出版物など

Instagram(@akredman)赤井 恒平

Instagram(@akai.factory)AKAI Factory

Instagram(@koheiakai.photographs)KoheiAkai.Photographs

チケット(私のできること、得意なこと)

固定費の安い拠点ご案内いたします。
・木材や鉄など、何かを作りたい場合ご連絡ください。何とかします。※大量生産には向いてません。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

飯能市内外の人たちが新拠点「フカダヤ」に集まってくれた風景。

お気に入りの場所(アウェイ)

イタリアの路上
絵描きや大道芸人など、個性や特技を持ち寄ってお金を稼いでる風景。

つながり

野田賀一(Pointfive)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

野田賀一さんからの紹介でインタビュー。同時期に同じ会社にいたので親近感湧きました。飯能までは電車一本でつながってるので遊びに行きたいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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