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【川崎】吉崎弘記(日進月歩)

川崎駅から鶴見方面に行くと古い簡易宿所が集まる日進町がある、そこでリノベーションをし外国人観光客や若いアーティストが集まる施設を手がけ、運営している吉崎さんに活動の想いなど伺いました。

プロフィール

東京都杉並区出身、川崎市の日進町でリノベーションした複合施設『日進月歩』を運営。明治学院大学を卒業後に藤田観光で京都国際ホテル、箱根小涌園で勤務したのち楽天トラベルを経てNENGO HOTELSに参加。

ホテルマンとしてのキャリアスタート

東京都杉並区で生まれ育ち、大学卒業後にホテル最大手の藤田観光に就職する。入社1年目は京都にあった老舗ホテル・京都国際ホテルで3年半勤め、箱根小涌園に異動して企画広報を担当。ホテルマンとしてのキャリアを積み重ねて、旅行情報サイトの楽天トラベルに転職した。

 

川崎駅近くの日進町での新しい挑戦

楽天トラベルでは、ホテルの客室を売る仕事を極めるため、11年間営業の仕事に携わった。そろそろ地域に関わる仕事をやってみたいと思い始めていた頃、藤田観光時代の先輩だったNENGO代表の的場敏行さんに、川崎市川崎区の日進町(にっしんちょう)という街で簡易宿泊所をリノベーションした施設の運営をやらないかと誘われた。

NENGOとは

的場敏行が代表を務める、川崎市の建築・不動産会社。的場氏の父親がオリエンタル産業として創業し2代目を引き継ぐ。2004年に日本で初めての中古不動産売買専門サイト「おんぼろ不動産マーケット」を公開。 2013年に100年後の街つくりを実現するため社名を「株式会社NENGO」に変更。2018年には川崎の簡易宿所を1棟購入し、グループ会社の「有限会社NENGO HOTELS」にて運営を開始し、宿泊事業を展開する。

公式サイト

 

日進町は川崎駅の北西部に位置するエリアで、臨港地域の工業地帯で働く日雇い労働者たち向けの簡易宿泊所が数多く集まる地域(ドヤ街)だった。NENGOはこの簡易宿泊所をリノベーションしてホテル事業を始めたいと考え、周囲の知人らに声をかけていたそうだが、地域のイメージなどから断れ続けていたところ、吉崎さんは可能性を感じ引き受けたという。それが日進月歩の始まりである。

日進月歩は、JR川崎駅東口から徒歩12分。京急・JR八丁畷駅から徒歩5分という立地。1963年に建てられた築50年以上の宿泊所「相楽ホーム」を2〜3畳の客室が15部屋のゲストハウスにリノベーション。1泊3,500円から宿泊できるのでバックパッカーや羽田空港や成田空港からの海外旅行者にも人気だ。古くから川崎駅周辺を知る人たちにはマイナスのイメージが残っているが、それを「川崎らしさ」という逆転の発想でアーティストたちによるデザインをプラスして、異なったコンセプトのアート空間に変身させた。

吉崎さんは、ホテルを核にした地域活性を取り組みたいとしている。これまでホテルマンや会社員時代が長かったが、今は自分がオーナーとして自分で考えて様々な仕掛けをできることに大きな喜びを感じてるという。ドヤ街という街のイメージは残ってるかもしれないが、Googleマップなどの地図にはドヤ街とは書かれていない。むしろ羽田空港や川崎駅、都内へのアクセスがよく、古き日本の雰囲気を残したゲストハウスとして海外旅行者には好評なのだ。

2018年1月に日進月歩を始めて、観光客や仕事で出張の方など利用者が増えていく中で、ビジネス目的にふさわしい宿や、ペンションのようなグループやご家族に ふさわしい宿が、日進町にあったので他の宿と「提携」した。すると色々なお客さんが日進町に来るようになったという。 今の目標は、毎日100名くらいの方が泊まっていただけるようにし、以前街にあった商店や食堂等を復活させて、街に賑やかにして、地域のお仕事を増やしたいと語る。

海外のお客さんを川崎に輸入して活性させたい

また古い建物の雰囲気を生かして、コスプレイヤーたちが連日写真撮影会を開いたり、地域に住むママさんたちが集まってママ会を開いたり、川崎駅周辺には日本語学校が多いことから留学生の利用も多い。新しい賑わいが生まれている。川崎にはいろんな人たちを巻き込みながら楽しむ風潮がある。まさに多様性を感じられる街だと思えるからこそ、この先もクリエイターたちとも連携し、新しい魅力に引き寄せされる日進町にしていきたいと意気込む。

海外からのお客さんを受け入れるインバウンドは、ある意味輸入業のようなものだと語る。海外から来てもらって買い物してくれたり、観光してくれたり、またそこに産業も生まれる。日進月歩を初めて、地元でダンサーとして活躍してる黒江乃理子さんや、舞台や琵琶奏者としても活動してるAshさんなどエンターテイメント界隈の方との出会いも印象深いそうだ。

これからどうしていきたい

日進月歩はアーティストのご利用が多く、また運営しているシェアハウス川崎日進アパートメント”85”では、アート活動を行う地方出身のアーティストも住んでいて、そんな彼らが将来に、アナザースカイのような番組に出演した際、『自分が育った街は、川崎の日進町』だと語ってもらうのが夢だと話す。かつては日雇い労働者たちが出稼ぎのために集まって生活していた街だったが、今ではドメインが変わりアーティストたちが成功を果たすために夢を追いかけて集まる街へと進化しつつある。

アナザースカイとは

日本テレビ系のTV番組。毎回ゲストを1人招き、ゲストの興味深い人生を掘り下げて紹介する。海外にある第2の故郷や憧れの地をテーマに進められる。

引用 Wikipedia

 

パッションポイント

お笑いが大好きで、漫才や落語はよく見ている。特に春風亭昇太や神田松之丞が好き。他にも趣味はたくさんあり、巨人も好きだし、歌謡曲も好き。その中心にあるのは徳光和夫さんで、彼が好きなものはどれも好きで、徳光さんのような人物には憧れもあるという。

公式サイト、出版物など

日進月歩 (公式サイト)

note (ヨシザキヒロキ

チケット(私のできること、得意なこと)

・話を聞きます
・インターネットでものを売ることのお手伝いをします

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

日進月歩のリビングルーム
川崎市川崎区日進町9−12
公式サイト
京急八丁畷駅近くにあるゲストハウス・シェアハウス

お気に入りの場所(アウェイ)

BERG(ベルク)
東京都新宿区3丁目38−1 ルミネエスト B1
公式サイト
新宿の老舗ビア&カフェ。独特な文化の香りが残る人気店。

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つながり

Ash(カワサキアリス)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

吉崎さんとの出会いは、旅行関係者が集まる都内の飲み会でお話をしたのがきっかけで、その後SNSなどでつながっていました。日進月歩の運営をされると知ってはいましたが、なかなかお会いする機会がないまま時が過ぎた頃にクラウドファンディングの応援をしていただき、インタビューをさせていただきました。本来は人の話聞くのが好きで、あまり話す方ではないとおっしゃってましたが、物腰柔らかく楽しそうに話してくれました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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