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【奈良】岡本麻友子(森のようちえんウィズ・ナチュラ)

保育士などを経て、奈良県天理市で「森のようちえんウィズ・ナチュラ」を開園。保護者ママの就労支援やマルシェも運営する岡本麻友子さん。

プロフィール

・森のようちえん ウィズ・ナチュラ 代表
・NPO法人 森のようちえん全国ネットワーク連盟理事

奈良県生まれ。 小さい頃から保育士を目指し、地元の保育園に5年勤務する。
その後、美容や癒し関係の仕事に就くが、子育て中のお母さんの悩みを聞いたりサポートをする機会が多くなり、「子どもには問題はなく、問題を作っているのは大人だ。」ということに気づく。

従来から夢だった大人も子どもも共に育ちあう共育の場作りとして、2010年「森のようちえんウィズ・ナチュラ」開園。0歳から2歳児の親子のお散歩クラス「親子組はぐみぃ」や乳児を対象とした赤ちゃんクラス「ベビnaCHU」など子育て支援にも力を入れる。

2017年3月には保護者のママたちの就労支援や仲間作りを目的としたコミュニティデリカフェもオープン。地域と繋がり、孤育てをなくすコミュニティを目指している。

好きな先生に憧れて、保育士になる

生まれの育ちも奈良県で、幼稚園に通っていた頃、となりのクラスが楽しそうで、その先生の笑顔が好きだった。廊下の手洗い場で手を洗っていると、その先生が隣で手を洗っていて、目が合うといつもニコッと笑顔を返してくれた。その当時からその先生みたいになりたいと思うようになり、4歳から保育士への夢を抱き始めた。短大を卒業して、私立の保育園に就職をし、長年の夢を叶えた。

ある日保育士の会合で16年ぶりくらいに、憧れだった先生にも再会し、自分のことを覚えていてくれた。その先生は当時は新任だったらしく、教え子から保育士になったのは岡本さんが初めてだと喜んでくれた。就職した保育園では5年ほど勤めた。勤めていくうちに自分が抱いていた理想と現実のギャップが大きくなってしまう。大人が導く保育に疑問を感じ、心身共に疲弊してしまった。

美容業界に転身

過労もあり肌荒れがひどくなり、悩みの種となった。保育士の先輩に仕事のことなどを相談したら、皮膚生理学などに詳しいエステの師匠を紹介してくれて、はじめの半年くらいは客として通っていた。広告や芸能人がおすすめするような商品も使ったことはあったが、効果は出なかったことにあった。はじめてエステの扉を開き、その師匠は自分の顔を見て息を飲んだという。そこから皮膚生理学や皮膚の構造の話など詳しく教えてくれた。自分の肌でありながらも知らないことばかりだった。

通い始めて3ヶ月くらい経つと、細胞が生まれ変わり成果が見えるようになっていく。はじめは子どもたちも驚いていたが次第に綺麗になっていった。信頼できる人の助言を聞くこと、関係性ができてる人の意見は聞くべきだと思った。その師匠のようになりたいと思い始めた時、その先生から一緒に働かないかと誘ってもらえた。新しい自分に生まれ変わりたいと思い、保育士から美容業界に転身した。

森のようちえんをイベントから開始

美容の仕事をしている時、土日を使って「森のようちえん」のイベントを開始した。「森のようちえん」はもともとデンマークの主婦が始めた取り組みで、その後ドイツで「Wald Kindegarten」として認可されるようになり世界各地で広がっていく。日本では、40年くらい前から始まり、自然体験活動を基軸にした子育て・保育、乳児・幼少期教育などの事業形態を「森のようちえん」と呼んでいるそうだ。子どもたちは遊具がない自然で、森に放たれ、木の枝やどんぐり、花々で遊ぶ。数もたくさんあるので取り合いの喧嘩もない。自ら考えて遊ぶ。自分からコミュニケーションを取っていく魅力がある。

現在は通年型に拡大し、天理市内のキャンプ場を借りて「森のようちえんウィズ・ナチュラ」を行なっている。同様の団体は全国に250箇所もあるという。活動のルールも子どもたちで決める。大人の見えないところで遊ばないというのがルールだそうだ。

自然な暮らしcommu+cafeコリコック

コミュニティデリカフェ「自然な暮らしcommu+cafeコリコック」 は、保護者たちの就労支援を目的に始めた。もともと幼児教育の無償化に、森のようちえんは対象外だった。認可保育園は入園が無料だが、森のようちえんは国からの補助が出なかった。現在は無償化対象になったが、それでもお母さんの就業形態によって無償になるならないケースがある。そこでカフェで字働ける場をつくり、地域の人とのコミュニケーションもできるようにした。

てんり高原マルシェ

2019年8月から月に1回、高原地域で町と里をつなぐマルシェを開催。天理市山田公民館(旧山田小学校)の木造校舎を借りて開催している。

これからどうしていきたい

奈良県に森のようちえんが2つあって、ウィズナチュラには16名の園児が通ってる。なかでも1時間半かけて通園してるお子さんもいる。卒園後にはお母さん自身が、自分の住む場所でコミュニティつくれる環境ができるよう、後継者つくりや、サポートを続けていきたい。

パッションポイント

モーニング

公式サイト、出版物など

森のようちえんウィズ・ナチュラ

自然な暮らしcommu+cafeコリコック

チケット(私のできること、得意なこと)

・森のようちえんをやりたい方にノウハウを教えます。見学、視察もできます。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

婆羅門杉
奈良県天理市福住町265

お気に入りの場所(アウェイ)

生樹の御門
愛媛県今治市大三島町宮浦3202

つながり

松浦美帆(DANCE & SMILE)

安形真(一般社団法人リズカーレ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

松浦美帆さんからの紹介でインタビュー。自分の幼稚園時代を振り返ると詳細は覚えてないまでも、いまでも当時の先生の名前と顔は記憶していて、あらためていい先生だったなと岡本さんの話を聞いた後で思い出しました。紹介くださったお気に入りの杉、見に行きたいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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