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【東京】久保暁育(ひとまわり研究所)

不動産や空き家相談などの仕事を経て、地元北沢で商店街の再生を目指している久保暁育さんにインタビュー。

プロフィール

1980年東京都世田谷区北沢出身。

東海大学卒業後、家具会社に勤務。その後、タイ、台湾、沖縄を放浪し価値観、地域経済の在り方に感銘を受ける。東京に戻り、不動産仲介会社、ハウスメーカー系管理会社を経て、空き家のコンサルティング会社の取締役社長に就任。全国を巡業し、各地の空き家活用、地域活性化プレイヤーと提携し、空き家相談、活用の体制を構築。

2019年11月、建築不動産会社、ひとまわり研究所/合同会社THIRDPROJECTを共同設立。2020年10月に出身地の世田谷区北沢に事務所兼休憩所を開設。 執行社員/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

 

地元北沢で空き家をリノベーション

生まれ育った世田谷区北沢で、不動産物件のリノベーションなどを手がける久保さん。数年前までは『カリアゲJAPAN』という会社で、空き家相談の仕事をしていた。築30年以上の空き家を自社でリノベーションし、オーナーから一定期間安く借りて、高くサブリースすることで改修費を回収する「カリアゲ」という仕組みで不動産業界に一石を投じた。

東京と神奈川県中心に仕事をしていたが、相談が全国に広がり、共感し合える仲間を探していたときに、福岡移住計画をやっている須賀大介さんや鎌苅竜也さんたちと出会った。それまではプラットフォーム側を運営し、入り口中心の業務で実務に触れる機会がなく、プレイヤー側でやりたいと思い、2019年に会社を設立した。世田谷区北沢は京王線笹塚駅と小田急代々木上原駅の中間に位置する町で、昔ながらの商店街と住宅地で構成されている。資産性が高く、空き家も多いのだが、地方の課題とは違う側面があるという。物件のオーナーたちには危機感はあまりなく、建売業者に売ってしまうケースが多いそうだ。

地元商店街を再生したい

会社の事務所を設けた場所は、世田谷区の商店街にある。最寄り駅は渋谷区、商店街は世田谷区という区界に位置していて、渋谷区の笹塚駅前は再開発で商業施設がオープンしたが、世田谷区に位置するこの商店街は徐々に賑わいがなくなってしまう。かつては銭湯や魚屋、八百屋など生活に密着した店が並んでいた。幼少期には駄菓子屋もあり、よく足を運んでいたという。今では店主の高齢化、後継者不足、店舗から住宅への建て替えが進んで、店舗数は減ってしまった。

商店街には、カフェやフリースペースなど座ってくつろげる場がなく、多くの人が駅に向かって歩いて行く通過点でしかなかった。ふらっと立ち寄り、交流をする寄合所を作りたいと考え、事務所を構えた場所は、かつての商店街事務所。その建物の姿を残して交流の場を作ろうとクラウドファンディングに挑戦した。

平日はフリーで開放し、土日をレンタルスペース。これまでにはポップアップショップやマルシェも開催した。

名前は誰でもふらっと立ち寄れる、そして皆が並列であるという意味を込めて「フラット345」。「345」は、住所末番である34番5号と、本業でもある建築不動産にまつわる数字だ。

2020年以降のコロナ禍になってしまったが、少しづつ商店街にも活気が戻ってきている。

同じ商店街で、リノベーション2棟目も手がけている。ようやく商店街の人たちと顔馴染みになってきたので、さらにこの通りを豊かにしていきたいと語る。福井を訪問した際に、アテンドしてくれた地元の方々と街を歩いているときに、そこかしこで街の人たちと挨拶している姿をみて、関わった場所がそこにあるという空気感に豊かさを感じた。「人のまわり」を豊かにする。その想いを込めて『ひとまわり研究所』を作った。これから先、どう再生していくのか楽しみだ。

これからどうしていきたい

小売店、飲食店と共存して行きたい。地域の経済をまわす。地域の人たちの意向を聞きながら再生していきたい。

パッションポイント

レコード収集

公式サイト、出版物など

ひとまわり研究所

Instagram (@hitomawari_lab)

チケット(私のできること、得意なこと)

・通りのお店の方とつなぎます。居心地のいい通りを感じて欲しい。
・空き家、空室など不動産企画の相談

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

井口焼き鳥店
東京都世田谷区北沢5丁目20−11 メイゾン井口
食べログ

お気に入りの場所(アウェイ)

宮城海岸・砂辺
沖縄県北谷町宮城

【じゃらん】国内25,000軒の宿をネットで予約OK!2%ポイント還元!

つながり

鎌苅竜也(福岡移住計画)

・蒲生寛之(箱バル不動産)

・中屋香織(ライフスタイルデザイナー)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

久保さんと初めて出会ったのは川崎駅近くに出来たシェアオフィスのプレオープン記念イベント。そこの運営にも関わっていたスマートデザインアソシエーションの鎌苅さんに紹介されたのがきっかてで、今回また鎌苅さんに紹介いただきインタビューしました。私も一時期世田谷区に住んでいたことがあり、場所は少し違いますが世田谷区が豊かな場所になっていくのは楽しみです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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