長野市で建築士として活躍し、シェアオフィス「カネマツ」や「SHINKOJI」のリノベーションにも関わった宮本圭さん。
長野市出身・在住、1970年生まれ。1996年工学院大学大学院工学研究科建築学修了。工学修士、一級建築士取得。同年、長野市の株式会社宮本忠長建築設計事務所入社。2006年、シーンデザイン一級建築士事務所開設。2009年、異業種ユニット「ボンクラ」とシェアオフィス「カネマツ」設立。2014年、現在のシェアオフィス「東町ベース」に入居。2015年法人化、「株式会社シーンデザイン建築設計事務所」に社名変更。
長野県長野市生まれ、大学は工学院大学工学部建築学科に進学。大学時代に「蒲田にアーティストレジデンスをつくりなさい」という設計課題に対し。ひたすら屋台を並べるというアイディアを提出。アーティストがリアカーを引き、町のあちこちでアート作品を作って置いてくるという企画で、先生の評価が二分するほどだったという。卒業後は長野に戻り、宮本忠長建築設計事務所に就職。10年間ほど大規模な工場から博物館など様々な設計に携わり、2006年からシーンデザイン一級建築士事務所を開設した。
独立して1年間ほど名古屋での仕事が中心で、週の半分を名古屋で過ごす日々だった。ある時、建築士会の集まりでいろんな活動をしていきなさいという話があり、仲間たちとツリーハウスを作ってみようとプロジェクトをスタートした。しかしみんな建築士でありながらもツリーハウスの作り方を誰も知らず、設置可能な場所や法律なども分からずにいた。次第にみんな諦めていく中で、違うアプローチの仕方で広く仲間を募ってみたら、木工作家やデザイナーなど建築家以外の人が多数集まり、わずか2週間でツリーハウスが完成した。その後も解体現場の廃材を使って5〜6棟作った。
2006年に独立してしばらくは自宅を事務所としていたが、長野市内で事務所を作りたいと思い物件を探していた時に、不動産屋さんからカネマツを紹介される。そこは善光寺の近くで3つの土蔵が連なる築120年、総床面積550平方メートルのビニール工場で、40年間も使われずシャッターが閉まったままだった。あまりもの大きさに自分には手に負えないと思っていたが、ツリーハウスで一緒にやったデザイナーの太田さんと再会。一緒にこの場所を使って活動を始めてみないかと誘われた。さらにその数日後に、初期メンバーとなる7人が偶然に飲み会で出会って意気投合。KANEMATSUがスタートした。
初期メンバーは「ボンクラ」というユニット名を名乗り、建築家やデザイナー、地元情報誌のエディターたちが揃っていた。KANEMATSUは、宮本さんの建築設計事務所やデザインオフィス、編集室やフリースペースなどが入った。共有スペースでフリーマーケットやイベントも行い連日賑わっていく。その後はカフェや古書店「遊歴書房」もオープン。次第に話題が広がり各地から見学や取材で訪れる人も増えていった。
2014年、東町の問屋街にあった4棟の倉庫群をリノベーションするプロジェクトにも関わった。新小路を挟んでカフェ、多目的ホール、シェアオフィス、共同型賃貸住宅、アトリエからなる複合施設「SHINKOJI」がオープン。宮本さんの事務所もここの東町ベースに拠点を構えた。同年9月には「SHINKOJI」を手がけたメンバーのひとりでデザイナーの結婚式二次会を行い、小さな路地を活かした空間を演出した。
長野市には、善光寺を囲むように武井神社、湯福神社、水内大社、妻科神社の4社が6年に1度交代で御柱祭を行う。なかでも武井神社の御柱祭行列の様子は、これまでに奉納された3面の大絵馬に描かれている。畳2枚ほどの大きさで、当時の町の様子や風俗が描かれている貴重な歴史資料でもある。江戸・大正・昭和と描かれた3つの絵馬に続き、平成の絵馬を作成しようというプロジェクトに関わることになった。地域で出会った人たちと共に御柱祭に参加し、その様子を大絵馬に記録。平成時代の衣装や風俗、参加した人たちの似顔絵も描き奉納した。
地元が長野なので、自分が住んでるとこが楽しくなるのが嬉しい。
もともとあったものが光をあてるだけで楽しくなる、仕事を通じて引き立てていきたい。
毎日続けることに興味が出てきた。
4年前から毎日ブログを書きはじめ、2年前からギターを始めて毎日練習し続けている。
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Instagram(@scene_design11)scene design
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※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
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善光寺
長野市の中山間地域
四国
・千葉健司(アメリカヤ)
・宮崎達也(宮崎建築事務所)
※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。
千葉健司さんからの紹介でインタビュー。長野は本当に大好きな街で善光寺周辺にも3回ほど足を運んだことがありましたが、今回のKANEMATSUやSHINKOJIなどもっと早くから知っておけばよかったと思いました。次行った時は是非立ち寄ってみたいです。(野田)
インタビュー・野田国広(編集部) グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。野田国広の記事一覧 |