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【福島】大島草太(Kokage Kitchen、ホップジャパン)

大学時代にクラウドファンディングに成功しキッチンカーでそば粉ワッフル販売やクラフトビールづくりなどの活動中の大島草太さんにインタビュー。

プロフィール

福島県田村市都路町在住。25歳。栃木県宇都宮市出身。
地域活性化のため、また自分自身好きな生き方をするために大学3年の時に起業。福島県川内村のそば粉を使ったワッフルをキッチンカーで販売している。大学卒業後は地域おこし協力隊を経てクラフトビール醸造の仕事に就き、キッチンカーの事業との二足の草鞋で働いている。趣味は旅とディスクゴルフ。

大学のフィールドワークで地域とつながる

栃木県宇都宮市で生まれ、教員を目指して福島大学に進学。実家は栃木県宇都宮市内で『木陰のトカゲ』という飲食店を営んでいる。大学時代は、東日本大震災の被災地に大学生が地域に入るという実践学習型プログラムで川内村の課題解決を行う活動をしていた。実践学習型プログラムが終わったあとも、お世話になった川内村に貢献したいという想いから、地域の特産であったそば粉を使用したワッフルを発案。移動販売を行なう『Kokage Kitchen』へと繋がっていく。

大学3年生の時、ワーキングホリデーでカナダのトロントに行き、中米からアジアまで20ヶ国ほど旅をする。休学中に訪れていたカナダで、福島のイメージが決して良くないことを思い知らされた。ニュースによる原発事故の拡張されたイメージよって、「あんなところ人の住む所じゃない」などとも言われたこともあったそうだ。大好きな福島から来たことを隠すようなの葛藤の中で、苦しい思いを経験し、イメージを変えるためになにかできることはないかと考えるようになっていく。

帰国してからも125㏄のバイクで、福島から九州まで旅した。国内外でいろんな出会いをした結果、自分に水の合う場所で働いて生きていこうと考え始める。就職してどこかに勤めるのではなく、地域の課題を自分の力で解決していく働き方があるのではないかと思ったという。

クラウドファンディングに挑戦

地域の食材を使い、「Kokage Kitchen」を2019年の大学在学中にスタート。名前は実家の「木陰のトカゲ」から名前を取ったのと、日常の中で木陰で心が安らぐようなこの地域のイメージから名付ける。クラウドファンディングに挑戦して目標金額200万円を達成。その資金でキッチンカーを購入し、川内村のそば粉と実、田村市の日本ミツバチの蜂蜜、都路町の卵を使ったワッフルの販売し始めた。将来的にはキッチンカーで全国を回りあぶくま地区の魅力を発信していきたいと語る。キッチンカーでの販売にしたのは、店を作って待っているのではなく、地域の魅力を掘り出して、自分から出て行ってPRしようとの思いからだった。

イベントなども出店していたが、2020年コロナ禍でイベントなどがキャンセルとなっていく。遠くに行けないが近くで販売することはできると発想を切り替え、福島県内でのファン作りに専念する。キッチンカーでまわっていて、普段はどこでやってるのかと良く聞かれていたのもあり、田村市都路町のグリーンパーク都路で定期出店を始めた。今では他の出店者も増え、「つながりマルシェ」として月に一度開催されている。

クラフトビールへの挑戦

2019年11月から田村市の地域おこし協力隊として、ホップジャパンやグリーンパーク都路のPR活動をした後、翌年11月からクラフトビール醸造所を営むホップジャパンに入社した。ビールを通じて、循環型の社会をつくるという会社のビジョンに共感したことに加え、代表である本間誠さんの人柄に惹かれて入社を決めたそうだ。田村市では2017年よりホップ栽培を始め、国内産のホップを生で使ったクラフトビールは非常に珍しいという。

田村市から借用している圃場を「都路ホップファーム」として運営し、ホップ栽培を中心に地域産業の6次化と循環型の地域活性化を目指している。広さは1ヘルタール(1万㎡)で、そこで収穫したホップや市内3ヶ所の契約農家のホップを使い、フレッシュホップビールの醸造を行っている。ホップを収穫し1時間以内で仕込んだフレッシュホップビールも販売計画しているという。

ビール醸造を学ぶ中で感じたのは「ビールづくりは化学」ということだと話す。少しの工程の違いがその味を左右する。想像していたよりもずっと奥が深い世界だそうだ。化学的にレシピを改善し、品質を改良していく。モノの循環が心の循環のように、目に見える形でサスティナブルを実現している。

これからどうしていきたい

自分自身が地域に関わって来て、自分にあった生き方を見つけたので、そういう生き方もあることを伝えたい。

一般企業に就職するだけでなく、好きなことを仕事にして、好きな地域を面白くして、巻き込んでいく。そんな働き方を今後もしていきたい。

パッションポイント

Kokage Kitchen、ディスクゴルフ、ビール

公式サイト、出版物など

Kokage Kitchen  Facebook(@KokageKitchen)

Kokage Kitchen  Instagram(@kokage_kitchen)

HOPJAPAN

HOPJAPAN オンラインストア

チケット(私のできること、得意なこと)

・福島県内の魅力的な人、もの、ことを紹介します
・キッチンカーで会いに行きます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

グリーンパーク都路
福島県田村市都路町岩井沢北向185-6

お気に入りの場所(アウェイ)

トロント
カナダ観光協会サイト

つながり

菅野千恵子(一般社団法人Switch)

関孝男(川内炭焼きプロジェクト)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

菅野千恵子さんからの紹介。地域おこし協力隊からクラウドファンディングの挑戦、キッチンカーにクラフトビールと(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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