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【静岡】稲岡麻琴(ダイロクキッチン)

結婚を機に東伊豆に移り住み、そこで出会ったダイロクキッチンで2代目管理人となってコミュニティ活動に励む稲岡麻琴さんにインタビュー。

プロフィール

1977年 静岡県三島市生まれ。田んぼのそばで毎日富士山を眺めて育つ。
1985
年 小学校3年の時に伊東市(伊豆高原)へ引っ越し。毎日海を眺めて育つ。
1995
年 県立伊東高校卒業。
1997
年 大妻女子大学短期大学部実務英語科卒業。父親が伊東市内で洋品店を経営。修行のつもりで都内のアパレルメーカーに就職。(実家の店はその後閉店し、継ぐことはなかった)
2001
年 結婚を機に退職。東伊豆へ。嫁ぎ先は鎌倉時代から38代続く神社。娘が2人(高2・小6)。子どもたちの成長とともに、町の将来(まちづくり)に興味を持つように。
2016
年 写真サークル「ひがしいず日和写真部」を立ち上げる。地元の魅力を再発見しSNS等で発信する中で、芝浦工大の「空き家改修プロジェクト」により改修されたシェアスペース「ダイロクキッチン」と出会う。写真展開催(2年間に3度)。人がつながる場としての魅力とダイナミズムを体感。
2017
年 ダイロクキッチンで週1カフェをスタート(留守番役を買って出る)。
2019
年 ダイロクキッチンを運営するNPO法人「ローカルデザインネットワーク」に加入。前管理人・荒武優希がワークスペース「EAST DOCK」の運営に携わるのを機に、ダイロクキッチンの管理を引き継ぐ。

NPO法人「ローカルデザインネットワーク」で運営する2拠点(ダイロクキッチン・EASTDOCK)と、代表の荒武が昨年新たに立ち上げた、「合同会社 湊庵」が運営する宿泊施設「錆御納戸」との連携、また、20代の若者によるダイロクキッチンでのチャレンジショプ(週末カフェ・深夜カフェ)のおかげで、ダイロクキッチンを利用する人が増えてきているが、コロナ禍ということもあり、もともと地元の人と関係人口とのつながりが生まれにくい現状。アフターコロナには、今まで以上に人の交流が生まれる場となるように、先を見据えながら模索している。

東伊豆で嫁ぎ、まちづくりに目覚める

高校を卒業し都内の短大に通ったのち、アパレル企業でしばらく働いていた。結婚を機に退職して東伊豆に引っ越してくる。嫁いだ先は鎌倉時代から38代続く神社で、源頼朝公が伊豆伊東流適の際に、源氏再興を祈願したとも伝わる神社だそうだ。稲岡さんの生まれは三島市で、途中から伊東市で育ってきたので、東伊豆でなかなか友達ができなかった。

2012年、小林めぐみさん主催の「IZU Grace Salon」というコミュニティに参加。子育て対話会や傾聴講座などを通じて様々な出会いが生まれた。東伊豆にもこんなコミュニティがあったらと漠然ながら思い始めたのはこの頃だった。写真教室にも誘われ、その仲間達と『ひがしいず日和写真部』というコミュニティを立ち上げて、伊豆の風景を切り取った写真をSNSでシェアした。その頃、芝浦工大の建築学生による『空き家改修プロジェクト』が、30年以上空き家だった東伊豆町消防団の第六分団器具置場をリノベーションしたシェアスペース「ダイロクキッチン」としてオープン。そこで写真展をと話が進でんいく。

ダイロクキッチンの2代目管理人に

東伊豆出身の人や、移住してきた人などとの出会いがそこで生まれ、ダイロクキッチンの魅力に魅了されていき、管理人をその施設を手がけたNPO法人ローカルデザインネットワークの荒武さんから引き継ぐことになった。

移住者はよく来てくれるが、地元の人はなかなか入ってきてくれず地域内交流は時間がかかった。しかし夜カフェを始めると地元も興味を持ってくれ、老舗和菓子屋が和カフェで使ってくれた。月1回、地元の回覧板に入れてもらっているダイロク通信(瓦版)の編集も稲岡さんがやっているという。

稲取高校被服食物部による予約制の食堂「夕食の取れるあったかふぇ」や、移住してきた森下佳世子さんによる身体のための食事が振舞われる「おばあちゃんち」など、飲食店を開きたい移住者が夢実現へのトライアルする場としても提供している。他にもゲストスピーカーを招いての対話会 、郷土料理教室 、だがしやイベントなど多彩だ。2020年以降のコロナ禍で思うようにイベントも出来なくなったが、いつかキャリ教育のようなものをやりたいと語る。

これからどうしていきたい

ブックカフェのようなものを作りたい。絵本の読み聞かせの活動を10年やってるので、まちライブラリーとして、子どもから大人まで時間を共有できる場を作りたいと思う。

パッションポイント

読書(児童古典文学、エッセイ)、カメラ

公式サイト、出版物など

Facebook    ダイロクキッチン

Instagram ダイロクキッチン

Facebook   NPO法人ローカルデザインネットワーク

Facebook ひがしいず日和写真部

Instagram ひがしいず日和写真部

Facebook 稲取総社八幡神社

チケット(私のできること、得意なこと)

・まちあるきツアーをアテンドします

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

高台からの雄大な景色(細野高原)
静岡県賀茂郡東伊豆町稲取

東伊豆の路地裏

お気に入りの場所(アウェイ)

クレマチスの丘
静岡県駿東郡長泉町東野 クレマチスの丘347 1
公式サイト

つながり

小林めぐみ(CLUB HUBlic)

安田保(りんがふらんか城ヶ崎文化資料館)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

小林めぐみさんからの紹介でインタビュー。あまり話の中では触れなかったのですが38代続く神社に嫁がれる時の想いはどうだったんだろうと、あとで思いました。神社も地域に根ざして歴史を刻むように、コミュニティも地域の中で人々の暮らしとともに時を刻み続けるのかしれませんね。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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