100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【川崎】西山雅也(トカイナカヴィレッジ 松本傳左衛門農園)

松本家十一代目当主松本傳左衛門でもある、明治大学名誉教授の松本穰さんとの出会いから、5,000坪の広大なトカイナカヴィレッジ が始まった。これまでの経緯や今後について運営の西山雅也さんにインタビュー。

プロフィール

1965年生まれ。東京下町に代々続く判子職人の家に生まれる。
ダメと言われた経験がなく育ったため性格は自由奔放。大学卒業後は18年間に渡り都心にある資産運用会社勤務、アセットマネージャーとして様々な案件開発に携わった後退社、㈱サザビーリーグやカフェカンパニー㈱などのブランド店舗開発に尽力した㈱エー・ディーアンドシーで不動産事業部を立ち上げる。

東京中目黒に2011年オープンしたTRAVELER’S FACTORYの物件化を最後にトカイナカエリアへ軸足を移し始め、トカイナカ不動産㈱を起業。

自然と人情が残り、都会とイナカの両面の良さもある川崎市北部を『トカイナカ』と定義し、自らも移住、2017年イナカを遊ぶ体験施設『トカイナカヴィレッジ 松本傳左衛門農園』を開設、都市農業をテーマに地主、生産者、市民、明治大学農学部と様々な課題にチャレンジしている。防災、減災活動では社)減災ラボの理事として各区の総合防災訓練、九都県市合同防災訓練(2018年8月)で防災キャンプやミニ炊き出しをプロデュースした。

2021年7月 川崎、二子玉川で活動する50代でたまがわ50合同会社を設立。

400年続く農家の里山に出会う

生まれは東京の麻布十番。大学を出て東京都内でしばらくの間働いていた頃、趣味のフライフィッシングで多摩川によく来ていた。当時は社宅が川崎市の宮崎台にあり、多摩川へ向かう途中に通るエリアがとても自分に合うと思い中古の一戸建てを購入し引っ越した。その後トカイナカと定義することになる川崎市北部の多摩区東生田の丘陵地一帯は、生田緑地や日本民家園、川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムなどがある自然豊かな地域だ。かつては向ヶ丘遊園という遊園地もあった。江戸時代から残っている原風景は都市部において貴重で、谷戸(やと)と呼ばれる、丘陵地が浸食されて形成された谷状の地形の土地でもある。古くから農業を中心に営んできて、いわば隠れ里のような雰囲気だ。

その一角に400年続く農家があった。約5,000坪の広大な土地で里山や畑もある。そこは明治大学名誉教授の松本穰(ゆたか)さんの土地でもあり、長野県から移り住んできた松本さんの先祖・初代傳左衛門(でんざえもん)さんから代々引き継いだ土地だ。その素晴らしい里山を後世に残して、大勢で農業を楽しみ、多世代が交流できる場をつくりたいとの考えから一般に開放していく動きが始まる。

ある日明治大学のOBが集まる会合で、法学部出身の市議会議員に農業公園として、地域に開きたいが運営してくれる人は誰かいないかと相談を持ちかけられた。その時に議員が相談相手として紹介したのが、現在運営をしている西山雅也さんや農園フェスなどの取り組みをしていた小泉農園の小泉さん、マルシェをやっていた一般社団法人カワサキノサキの田村さんたちだった。

トカイナカヴィレッジ

本業で遊休農地の活用などにも.取り組んでいた西山雅也さんが中心となり施設を「仮想の村」として運営することになる。都会と田舎の両方の良さを味わえるとして付けられた名称は「トカイナカヴィレッジ」とつけられた。地域住民や専業農家、福祉施設などと協働し「楽しめる農業」を目指すという。松本さんが村長で、西山さんが助役となり、サクラの大木の横に造られたツリーハウスが「村役場」。お客さんをを「村民」として迎え地場野菜や松本家に江戸時代から伝わる農家めしを味わう会を開いた。マスコットとしてポニーやヤギもいる。そこに集う会員課題にチャレンジしている。

1階が農家レストランに村長室、2階には多目的スペースや民泊可能な部屋もある。西山さんは地方から東京へ来る際のHUB、駆け込み寺として利用して欲しいと語る。宮崎県諸塚村と協定を組み、村の行事などのサテライト会場としての機能も果たしている。他にも島根県雲南市、福島県飯舘村、千葉県の館山市などとも協定を進め、その市町村を1日体験できるイベントも行っている。例えば、島根まで行けない関東圏の大学生を中心に農業を体験してもらい、同市の地域課題解決に協力する。Iターン・Uターン窓口としても雲南市と関東圏をつなぐ場を開いた。

ムラの主な慈業(事業)

はたけの窓口 →さまざまな農業体験と農業体験農園の運営

やさいの窓口 →農家めしレストラン運営とマルシェなど

いなかの窓口 →都会と田舎を繋ぐ橋渡し役

仮想の村と実在する地域が提携し、地方創生へつなげる

これからどうしていきたい

.『トカイナカ』の良さ・大切さを多くの人に『携わっている事業』を通じて広めたい

2..田舎』の良さ・大切さをトカイナカを通じて都会へ伝えたい

3.『都会』の良さ・大切さをトカイナカを通じて田舎へ伝えたい

パッションポイント

愛犬(甲斐犬)と愛車(AMC EAGLE)

公式サイト、出版物など

公式サイト トカイナカヴィレッジ

Facebookページ トカイナカヴィレッジ 松本傳左衛門農園

減災ラボ

チケット(私のできること、得意なこと)

・都会の生活に疲れたら会いに来てください。
・都会/田舎の情報・人などを繋ぐ方法を一緒に考えます。
・楽しみながら減災/防災活動をやってみたい方一緒に考えます。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

トカイナカヴィレッジ 松本傳左衛門農園
神奈川県 川崎市多摩区東生田4-1-6
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

宮崎県
宮崎県西林山

トラベラーズファクトリー
東京都目黒区上目黒3-13-10
公式サイト

つながり

秋元友里(Farmers Market at UNU)

佐藤正一(一般社団法人二子玉川エリアマネジメンツ)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

秋元さんからの紹介でインタビュー。西山さんとの出会いはグリーンドリンクス川崎のイベントでお会いしたのが始まりで、第1印象はチャキチャキの江戸っ子で周囲の人々を笑顔にさせるパワーがある方だと思いました。今回の話でもトカイナカの想いなどたくさん語ってくれました。ますますこれからが楽しみです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
野田国広の記事一覧