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【茨城】中村彩乃(水戸宿泊交流場/AN_ARCHITECTS 中村彩乃建築設計デザイン)

ハウスメーカーなどを経て東京を軸に地元水戸と二拠点生活をしながら「水戸宿泊交流場」を仲間たちと立ち上げた中村彩乃さんにインタビュー。

プロフィール

中村彩乃
建築家、茶道家
ハウスメーカー・空間デザイン企業を経て、FumihikoSanoStudioにて、伝統や文化・素材等を現代の感覚と合わせる事で新しい日本の価値観を作るという事を学ぶ。住宅・店舗・ホテル・インスタレーションやアート作品等を経験。

現在フリーランスとして、建築設計デザイン、展示・空間デザイン、地方創生(コミュニティゲストハウス水戸宿泊交流場の運営)、プロダクトデザイン等に携わる。

建築や空間づくりの仕事に就く

大学時代は生物学を専攻していたが、将来働くことを考え出した時に、建築がいいと知人に教えてもらい建築の専門学校に進学し、その後地元である水戸市で住宅メーカーに就職した。小さい頃は間取図がある広告見るのが好きだったり、段ボールで家を作ったりしていたこともあり、建築の道を選んだそうだ。しばらくは住宅メーカーで勤務していたが、徐々にパブリックなものをデザインしたいと思い始め乃村工藝社や佐野デザインスタジオなどで空間デザインなどを行なってきた。

水戸宿泊交流場がオープン

コロナ禍の2020年2月、水戸の元漁網店だった空き家をリノベーションし「水戸宿泊交流場」が完成。コミュニティ型のコワーキングスペース併設のゲストハウスの運営を開始した。立ち上げから設計デザイン、補助金の調達等一通り中村さんがオーナーとして、都度メンバーや知人に助けられながら進行してきたプロジェクトだ。土間と居間に共用スペースがあり、最大5人が宿泊可能。1人1泊3,800円〜(時期により前後します)1週間プラン1万円~、一カ月プラン4万円〜利用できる。

水戸宿泊交流場は、「その地域に“暮らす人”とそこに“訪れる人”が交流することであたらしい○○が生まれるきっかけのゲストハウス」をコンセプトとした宿泊機能の付いたコミュニティワークスペース。中村さん自身が建築家という立場でもあり、空き家問題にも取り組みたいという考えもあったそうだ。昭和の雰囲気漂う民家を改修した施設でどこかホッとする場が完成した。

運営メンバーは、多拠点居住者という特徴もあり、地域と地域外を繋ぐハブとしてのコンテンツ運営を目指している。また、「なしとげ隊」という3カ月で交流場でなにかなしとげたい人と場所の活用や滞在とのコトコト交換の仕組みも設け、現在は2代目。21年11月からの3代目の募集も始まる。3代目は、“暮らす人”とそこに“訪れる人”のコミュニケーションの部分に関わりたい方を優先募集予定とのこと。

地元を出たからこそ気づいた地元の魅力

なぜ水戸にコミュニティワークスペースを建てようと思ったのか。それは水戸を離れたからこそ気づいた地元の良さや、自分の生まれ育った場所に、経験を活かした空間の設計・デザインをしたいという思いから、水戸に場づくりをしてみようと思い立ったそうだ。空き家問題も含め、水戸宿泊交流場を起点に周辺の空き家活用にも貢献したいと語る。中村さんは、二拠点生活として都内でも建築家や茶道家として働きながら、「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」で、様々な業種の人たちが新たな社会的価値の創出を目指すコミュニティーに参加。地域ブランディングや伝統工芸継承のプロジェクトに取り組んでいる。

これからどうしていきたい

水戸宿泊交流場をきっかけにして、暮らす人と訪れる人をつなぐことを続けていきたいので、一方に利があるサービスではなく、偶発的なハブとしての役割を続けていき、化学反応を通じた新しい出来事が生まれるような実験を繰り返していきたいです。

展望としてはそれを起点に、交流場周辺に興味を持った方々に空き家を活用していただいて一緒にまちづくりをしていくことが出来たらさらにうれしいと思っています。

パッションポイント

仕事と趣味が一緒みたいになってしまっているので、旅行でも近所でもどこかに行くときは、建築物や芸術や文化技術が見れるところに行きます。仕事を離れたところだと、スパイスカレーが好きで食べるのも作るのもちょこちょこ合間にやってます。まだまだ初級者です。

公式サイト、出版物など

公式サイト

チケット(私のできること、得意なこと)

地域の定番の観光拠点の案内ももちろんさせていただきますが、今はローカルな体験が出来る場所と、ローカル体験をさせてくれる人のアーカイブをしているので、気軽に水戸の生活を体験できるような仕組みづくりをしています。
・水戸というエリアは、いわゆる観光地というよりは、生活者向けの施設やイベントが多いのですが、地元遊びをご紹介させていただく事で、東京から1時間強くらいでこれる生活の延長上にある日常のような非日常を味わえるかと思います。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

水戸芸術館
茨城県水戸市五軒町 1-6-8
公式サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

豊島

フィレンツェ

つながり

工藤紘生(一般社団法人SoLaBo)

守屋真一(micro development design / 一般社団法人超帰省協会

平間一輝(大洗観光おもてなし推進協議会・大洗カオス・大熊つなげ隊)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

工藤さんからの紹介。2017年に水戸へ一度訪問したことがある。きっかけはJ2の試合観戦でしたが、水戸の街並み、千波湖の美しさ、徳川家や水戸藩の歴史を感じる街並み、水戸芸術館などコンパクトで過ごしてて居心地がいい街だなと感じました。水戸宿泊交流場にもお邪魔したいと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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