千葉大学で知り合って結婚。鎌倉で一級建築士事務所スタジオシンクロールを設立後、2019年から宮城県大崎市に移住。地域に開かれたワークショップなどを企画する渋谷夫婦にインタビュー。
渋谷大輔/Daisuke Shibuya
一級建築士/既存住宅状況調査技術者/第二種電気工事士
1982年宮城県大崎市岩出山生まれ。2004年千葉大学工学部、2006年千葉大学大学院卒業。組織設計事務所にて公共建築や商業施設・オフィスビルの設計業務を経験した後、2012年6月神奈川県鎌倉市にて一級建築士事務所「Studio Syncroll」を設立。個人住宅や店舗デザインを始め、ホテル・商業施設など幅広く設計活動を行う一方で、DIYワークショップなどのイベントも開催。近年は「作れる建築士」を目指し、店舗や住宅改修の施工(大工・左官・塗装・電気工事等)も手掛ける。2019年3月より拠点を故郷の大崎市岩出山に移し、ブルーファーム株式会社のパートナーとしても活動を開始。また設計活動以外にも岩出山エリアの空き家対策や地域マガジンの制作など、まちづくり活動にも積極的に取り組む。主な作品に「Bluefarm Local Innovation School」「TWo Photo Studio」「花巻おもちゃ美術館(Fy.dとの協同設計)」などがある。
渋谷ひでみ/Hidemi Shibuya
内装デザイナー/臨床美術士
1981年広島県広島市生まれ。2004年千葉大学工学部、2006年千葉大学大学院卒業。(株)丸井のグループ会社にて商業施設や店舗のプランニング・デザインの実務経験を経たのち、シェアハウス運営会社に転職。コミュニティ形成のためのイベント企画運営などに携わる。2013年Studio Syncrollに参画。ハード面だけでなくソフト面からも「場を作る」ことへの興味が強く、内装デザイン業務と並行して、インタビューイベントや子どもの創作ワークショップなどを主催。2019年、拠点を鎌倉市から大崎市岩出山に移し、2020年よりブルーファーム株式会社のパートナーとして活動を開始。臨床美術士としての顔も持つ。
渋谷大輔さんは、宮城県岩出山町(現・大崎市)で生まれた。岩出山中学校に通っていた頃に、建築家の山本理顕さんが設計した新しい校舎になり、それが町のシンボルのようにもなった。目を引くような斬新なデザインと建築物を見て、こんなものが作れるんだと驚いた。高校は宮城野高校に進学し、そこでは自分自身でカリキュラムを選択する仕組みで、校則や行事もなく、必要であれば全て自分たちで企画して作るという学校だった。そこで文化祭でファッションショーを開催したり、DJをやったりして場づくりの原点ともいうべき体験をした。
建築とデザインに興味を持ち始め、どちらも出来る大学を探し千葉大学に入学。そこでのちに奥さんとなるひでみさんとも出会った。大学時代はフレンチレストランの内装を手がけたり、大学院では学校建築の研究に専念。卒業後は公共建築や商業施設などを設計する会社に就職。30歳で独立、2012年6月神奈川県鎌倉市に引っ越して一級建築士事務所「Studio Syncroll」を設立した。Syncrollは、シンクロ【共鳴】して、ロール【巻き込む】していきたいという思いから名付けた。
渋谷ひでみさんは、広島市で生まれ育ち、絵を描くのが好きで高校3年生の時に美術予備校に通っていた。講師の先生が紹介してくれた安藤忠雄氏の作品集で、光の教会(大阪府茨木市)のコンセプトがすごいと感じ、それを表現する建築が素晴らしいと思った。そこでデザインも建築も学べる千葉大学に入り、卒業後は商業施設の内装デザインに就職した。5年ほどデザイナー・プランナーとして勤務したが、場を作ることへの興味が強くなっていき、シェアハウスを運営する会社に転職。大学院の頃から交際をはじめた大輔さんと結婚し、2011年に鎌倉に引っ越す。大輔さんがはじめたスタジオシンクロールに合流もした。
鎌倉に引っ越してから少しずつ知り合いも増えていき、陶芸家とミュージシャンのご夫婦のアトリエ改修を手伝った時、その隣の貸家が空くことになり、一緒に借りて何かしたいねと会話をしたのがきっかけで、江ノ電が走るすぐ横の古民家を借りて、イベントやワークショップができるイベントスペースを作った。ちょうど軒が出てる小庭もあったので「ノキノシタ」という名前にし、陶芸のワークショップ、ライブ、DIYワークショップなどを開催した。作ることを切り口に、人が集まる場所を作るという目指していることが体現できた瞬間でもあった。
旅行や仕事で訪問する地方の暮らしに感化され、移住先を検討するようになり、土地も安い大輔さんの地元・岩出山町に2019年2月から移り住んだ。ごみを極力減らすことをコンセプトにした量り売りの店「ゆむら商店」の設計施工に関わったり、移住する前から「ブルーファーム」がカフェを開店したり、地元の和洋菓子店の息子さんもUターンしたのも移住を決めるポイントにもなった。
2022年10月、自ら設計した自邸が完成。その一部をワークショップスペースとして町に開き、臨床美術の造形教室や廃材を使った工作、梅酒作り、地大豆と地元の麹で味噌作り、コンポスト作りなど企画していきたいと語る。ワークショップの第1弾として「キッズロゴデザインコンペ」を開催。いろんな子どもたちがデザインするロゴをコンペ方式で募るという企画。どんな作品が生まれるか楽しみだ。
『ノキノシタ』
建築も好きだけど、いろんな人が集える場所を持つことで生まれるこれからの展開に可能性を感じている。
帰ってきた理由は、地方の可能性を表現したい。資源をいかした仕事をしたい。その仕事を子供たちに見せたいと考えた。こんなこともできる、こんな仕事も作れるということを見せたい。この地域でつないでいきたい。
DIY、企画を考えること
Studio Syncroll 一級建築士事務所 スタジオ シンクロール
Instagram (@cobmint)渋谷大輔
Instagram (@whidemi)渋谷ひでみ
Instagram (@noki_no_shita)ノキノシタ
note 渋谷ひでみ
・プチ移住体験できます。 |
・まちを案内します。地域資源をめぐるツアーできます。 |
※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。
感覚ミュージアム
宮城県大崎市岩出山字下川原町100
公式サイト
家の目の前の景色
鎌倉材木座からみた富士山を見える海
ショウナイホテル スイデンテラス
山形県鶴岡市北京田下鳥ノ巣23−1
公式サイト
バルセロナ
アムステルダム
尾道
谷中
・池田美砂子(Cの辺り)
・伊藤奨(一般社団法人アットアイランド/株式会社TIAM)
・六反かゆこ(吉備中央町地域おこし協力隊)
※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。
池田美砂子さんからの紹介。共通のつながりも意外とあってお二人ともお話をしてて楽しかったです。設計された新築の家も素敵で、いつか遊びに行ってみたいです。(野田)
インタビュー・野田国広(編集部) グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。野田国広の記事一覧 |