【岩手】鈴木寛太（かんたはうす）

東日本大地震の復興支援で岩手に通い、その後地域おこし協力隊を経てぶどう農家に。東京で生まれ育った鈴木さんのこれまでの経歴を振り返ってもらいました。

プロフィール

1991年東京都出身。東京出身の両親のもと、大学生になるまで田舎を持たずに育つ。2011年3月に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、岩手県を訪れるようになる。大学卒業後、一度は神奈川県で就職するも、岩手への想いがつのり、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫（おおはさま）地域で減少が続くぶどう農家の支援を行う。協力隊最終年度に自身がぶどう農家となり、現在は約一丁歩のぶどう園地を管理、栽培している。任意組合の「かんたはうす運営組合」を立ち上げ、引き続き大迫地域を中心に活動している。

震災ボランティアで岩手へ

2011年3月、東日本大震災が起きたとき鈴木さんは東京にいた。生まれも育ちも東京で、羽田空港にも近く庶民的な街並みが今も残っている蒲田。当時はまだ大学生だった。東北の被災地の惨状をニュースで見て、何かしたいとすぐに思ったと言う。そして大学のボランティアプログラムに参加し、卒業するまでに7回岩手県の沿岸や遠野市に通った。ボランティア活動をやり始めた頃には主に全国から届く本の整理をやったそうだ。

大学を卒業する前の就職活動では、岩手で働きたいとひそかに考えていたが、現実味がなく就職できる先が無かったので、内定をもらっていた神奈川県内のIT企業に就職した。それでも岩手で活動して来た4年間の思い出を忘れることはできず、心の中には常に岩手のことを気にかけていた。東京で生まれ育った鈴木さんにとっては、田舎と言う存在がなかったので、岩手はある意味もうひとつの地元のような感覚でもあった。

地域おこし協力隊を経てぶどう農家に

ある日、友人が岩手県花巻市で地域おこし協力隊の募集があることを教えてくれた。岩手県だったらどこでも仕事したいと思い、2015年に花巻市大迫に移住した。はじめて訪れる町だったが、そこでぶどう振興のミッションがあった。それまで土に触れる機会もなかったので、一から学び汗を流し、毎日のように苦労もしたと言う。しかし優しく受け入れてくれる、ぶどう農家の方との知り合いも増えていったので、不安はなかったそうだ。しばらくすると、1軒の農家が辞めるので後継者を探して欲しいと相談を持ちかけられた。いろいろ探してみたが見つからず、結局自分が引き継いでやろうと就農を決意する。

この地域は約70年前からぶどうを産業として成り立てきた町で、ワイン産業も行っている。鈴木さんが育てているぶどうは「キャンベル・アーリー」というぶどうで、東北地方では名の知れた品種だそうだ。甘味だけではなく、酸味もあるのが特徴だ。花巻市大迫町は今から50年以上前にオーストリアのベルンドルフ市と友好都市となり、その関係で譲り受けたぶどう「ロースラー」もあり、その品種を使って赤ワインも作られている。

農業の大変さは自然災害との戦いでもある。台風の日もあれば、ぶどう棚が倒れる危険性もある。気温の上昇もぶどう作りに大きく影響もしてくる。最近はワインを委託醸造し、ECサイトで販売も始めた。また、ふるさと納税のサービスを利用して、収穫体験もやったりもしている。

2020年以降のコロナ禍で中止となってしまってるが、 毎年8月14日、16日に花巻市大迫町では先祖供養のお祭りの「あんどんまつり」という祭りがある。町には4つの組があり、その組が山車をつくり、町を練り歩くそうだ。多くの人手もあることで地域の経済が潤うと言う側面もある。早くまたこの景色が楽しめることを願うばかりだ。

これからどうしていきたい

今を一生懸命生きると言うのが自分の大きなキーワード。やれることを最大限やることで、未来を作っていきたい。

パッションポイント

ぶどう、ワイン

公式サイト、出版物など

note 鈴木寛太

かんたはうすの通販 （ポケマル）

チケット（私のできること、得意なこと）

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お気に入りの場所（ホーム）

ぶどう畑

お気に入りの場所（アウェイ）

蒲田
東京都大田区蒲田

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つながり

・瀬川然 （ネビラキ）

・福田学（釜石地域おこし協力隊）

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

岩手つながりで瀬川さんからの紹介。震災ボランティアをきっかけに岩手に惚れ込んで移住し、ぶどう農家という話は、何がきっかけで人生が変わっていくか面白いなと感じました。人懐っこい笑顔で話してくれる鈴木さんに会いに花巻に行ってみたいです。（野田）