100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【埼玉】高橋浩志郎(草加市役所)

新潟のNSGグループで営業や事業再生などを行い、草加市役所に転職。ベットタウンでリノベーションまちづくりに取り組む高橋浩志郎さん。

プロフィール

昭和45年東京生まれ、父親のUターンにより新潟へ。両親以外は多くが教員という家系に育つも、外の世界が見てみたいという衝動に駆られ、地元の大学には進学せず、東京学芸大学教育学部に進学。案の定教員免許を取得せず、新潟に戻り教育事業が主体のコングロマリットに就職、コンサルティング営業を通じ、地域の活性化の肝は人づくりであることを実感。教育行政に関わることを目指し、40歳を目前に草加市役所に転職。平成27年より産業振興分野に。現在自治文化部副部長兼産業振興課長。公民連携手法や事業者連携手法を各種施策に導入し、地域産業の活性化に取り組んでいる。

新潟のNSGグループに入社

東京都板橋区で生まれ、3歳の時に父の実家がある新潟市に移り住んだ。父以外の親戚は多くが教員で、親戚が集まると自然と先生の会話を耳にしながら育つ。学生時代は教員以外の世界もあるのではないかと、違う世界への憧れを抱くようになっていく。中学の頃には先生との対立から不登校になったこともあった。周囲からはいつか先生になるんだろうと言う目で見られることもあって、高校を卒業すると東京学芸大学の教育学部に進学するため上京する。本当は先生になる気はなかったが、上京する口実で新潟を飛び出した。

1992年バブル絶頂期で就活していると学生が企業から接待を受けるような時代だった。いつくか内定をもらった中で、新潟に本社があるNSGグループに入社した。かつては不登校になった経験もあり、公の教育への問題意識は強く、民間の教育で何か変えてやろうという気概があった。NSGグループはプロスポーツクラブの「アルビレックス新潟」のスポンサーにもなっている企業グループで、元々宮司さんだった池田会長が、境内で学習塾と専門学校を開いたのが始まりだった。農業県である新潟では冬場になると男子は東京へ出稼ぎに行き、高等教育を受ける子どもたちは東京から帰ってこない。そこで新潟で高等教育を受けられる機会を作り、産業を興す人材を育てようというのが、その原点だ。

NSGグループではこのような成り立ちから、M&Aを進めたり社員がどんどん起業していくという社風もあった。高橋さんは学習塾に配属され、5年目から営業に転身。全国の専門学校を飛び回った。33歳になる頃、東京の専門学校を買収し立て直しをする担当に抜擢されると株式公開を見通せるまで業績を回復させた。ある程度軌道に乗ったことからそろそろ新潟に帰りたいと思っていた時、どこか民間教育で教育を凌駕したいとの想いがあったが、現実は厳しく行政に行こうかと思い始めていた。ちょうど会社からは東京で社長にならないかと打診されたものの、気持ちは変わらず退職して中途採用をしていた草加市役所を選んだ。

草加市役所で産業振興を担当

草加市役所では、窓口の国民健康保険を5年間勤め、その後、産業振興に携わり10年になった。草加市の中心市街地である東武伊勢崎線草加駅前の再生を検討することに。しかし高層マンションと商業施設を組み合わせたような従来型の再開発ではなく、スピード感をもって今ある空間資源を活かしたものでなければならないと考えた。ちょうどその頃にリノベーションまちづくりに出会い。全国の事例などを見て、ベッドタウンでも応用が効くのではないかと思った。すぐに地域再生プロデューサーの清水義次さんに相談して、草加市でのまちづくりが始まった。

都市農業をはじめとする地域資源を活かし、地産地消のバルやカフェ、シェアアトリエなど相次ぎ出来ていった。自分のほしい暮らしを思い描きながら、これらのお店やサービスを応援することで、消費者が「まちの当事者」へと変わっていく。ベッドタウンの暮らしが、住民自らの手により心豊かになっていくことに喜びを感じていた。令和2年3月には、全国の仲間と「NPO法人自治経営」設立。自らの学びも深めながら、公民連携による地域再生・活性化プロジェクトの広がりを後押ししようとしている。それは高橋さんが公務員こそクリエイティブだと考えるから。行政の立場でできる、ルールをつくり、変えるということから、民間が実現したいことを後押ししていくという姿勢を貫いている。

これからどうしていきたい

東武沿線のまちづくりを手伝っていきたい。親にとってはたまたま住まいを買った場所、それが子どもたちにとってふるさとになる、沿線のまちで暮らす人々が、同じように子どもの未来を想い行動する「等身大の関わりしろ」をたくさん作れるよう、沿線のローカルプレイヤーと行政を繋ぎ続けたい。そして愛娘に「父さんいい暮らしをつくってくれたね」と喜んでもらいたい。

パッションポイント

バンドをやっていた高校時代からの憧れ、生き様の師山下達郎のカッティングギター

公式サイト、出版物など

そうかリノベーションまちづくり

NPO法人自治経営

チケット(私のできること、得意なこと)

・地元の行政との付き合い方を教えます。
・笑顔で自分の暮らしを作るということを楽しんでる人を紹介します。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

草加駅から7分のオーガニック農園からみたマンションの風景。都市のくらしの豊かさが実感できる場所。

お気に入りの場所(アウェイ)

新潟
旧盆頃の新潟平野。田んぼの真ん中に立ったときに、今年もご飯が食べられるという安心感とともに、ふるさとの皆さんのたゆまない努力に触れ、離れた自分も頑張ろうと思える。

つながり

宮本恭嗣(ハムハウス)

・小嶋直(つなぐば家守舎)

・矢口真紀(choinaca合同会社)

・桝潟晃広(新潟県庁)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

宮本さんからの紹介。同じ歳の方へのインタビューは初めてでした。学生時代やバブル期の話など自分の半生とも重なり懐かしく楽しい時間を共有できました。再開発一辺倒ではなく人々の想いが詰まったまちづくり。草加には足を運んだことがないので是非行ってみたいです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
野田国広の記事一覧