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【埼玉】小嶋直(つなぐば家守舎 )

埼玉県草加市で、築30年のアパートをリノベーションして「シェアアトリエつなぐば」として再生した小嶋直さん。

プロフィール

1980年東京都生まれ。つなぐば家守舎代表取締役。2012年に独立し埼玉県川口市にて建築事務所を構え、リノベーションなどを手がける。2018年に埼玉県草加市で「つなぐば家守舎」を設立し、子連れで働ける〈シェアアトリエつなぐば〉を運営。「欲しい暮らしは私たちでつくる=DIO(Do it ourselves)」を合言葉に解体、断熱、廃材レスキュー、左官工事などを仲間を募りハーフビルドで作り上げる。2022年には文庫室や新たなシェアキッチンをオープン予定。

少年時代から建築家に憧れた

東京都練馬区で生まれ育ち、小学生の頃に近所にあった寺子屋に通って過ごしていた。そこは建築家の先生が経営していて、勉強だけを教えるのではなく、雑学までもたくさん教えてれた。先生の家には建築図面や模型、本もたくさんありその空間に行くのが何よりも好きだった。その先生に惹かれ、いつか先生のように建築の仕事をしたいと思うようになる。工学院大学を卒業し、Atelier Y Associatesに就職すると住宅設計や文化財改修や学生寮、保育園なども設計した。仲間たちと集まる機会があり、みんな他業種で独立したという話を聞いて、自分もいつか独立したいという想いも強くなって行った。

2011年の震災以降に親戚から住宅設計の仕事をもらったのをきっかけに独立した。はじめは自宅の一室で仕事をしていたが、友人が川口市にある植木屋「千木屋」だった実家敷地内でカフェ「senkiya」を開いた。その敷地内に小さなプレハブ小屋があり、その小屋をリノベーションして建築事務所として移すことにした。「senkiya」がある敷地は広く、雑貨屋や焙煎所もあり地域のコミュニティとしても開かれた場所でもあった。

リノベーションスクールに参加

ある日、草加市役所の高橋浩志郎さんがそのカフェに訪れ、草加市で開催予定のリノベーションスクールで、ローカルユニットマスターとして参加して欲しいと、そのオーナーに打診してきた。予定があわずオーナーは出席できなかったが、小嶋さんに代わりに出席してみないかと誘われ、2016年のリノベーションスクールに参加することになった。そこで、のちに一緒に「つなぐば家守舎」を立ち上げる松村美乃里さんとも出会う。松村さんが温めてきていた構想をもとに、旧日光街道沿いにあった呉服屋さんをシェアアトリエにしようと提案。契約寸前まで話は進んでいたが、その物件が火事で焼失してしまう。

シェアアトリエつなぐば

その後、1年間場所を探し続けていると、現在のオーナーと出会う。築30年の2階建てアパートで、2組ほど退去予定があり、その後どうしていくかを検討されていた。もともと先代が市議会議員で、まちのために有効活用したいとの想いがあったそうだ。オーナーさんはリノベーションスクール関連の講演会にも出席されたことがあり、リノベーションで解決の糸口になるのではないかと可能性を感じていた。そこでシェアアトリエを提案し、実現へと大きく動き出す。

「Do It Ourselves(DIO)」というテーマを掲げ、欲しい暮らしを自分たちで作ろうと、壁の解体や壁面のモルタル塗装、断熱材の設置などは、すべてワークショップ形式で行った。コンセプトは、「仕事につながる・母親とつながる・地域とつながる」。リノベーションされたアパートは、カフェやシェアアトリエ、コワーキングスペース、美容室などが入居するシェアアトリエに生まれ変わった。

大きな特徴として、みんなの子どもをみんなで見守ろうと、建物空間の真ん中に小上がりがあり、そこで子どもたちが遊んでる様子を見守りながら仕事やカフェなどを楽しめる。また目の前にある公園も最近から指定管理者になり、毎月2回マーケット「つなぐ八市」も開催している。

さいかちどブンコ

「シェアアトリエつなぐば」と同じ大家さんが所有している倉庫をリノベーションして、地域のリビングとなる図書館「さいかちどブンコ」を2022年6月にオープンする。「さいかちど」とは「槐戸(さいかちど)」という埼玉県草加市にあった地域名と大家さんの屋号から名付けた。草加市内には図書館が1箇所のみで、駅前の書店もなくなり、駅から離れた住宅地には書店がなかった。また「シェアアトリエつなぐば」でつながったライター、カメラマン、デザイナーたちの参考図書が必要なこともあり、本がある空間を望む声があったことから企画された。

一箱本棚オーナー制度の図書館で、本がある暮らしをきっかけに、リビングのような暮らしを作りたいとの大家さんの願いがこめられている。館内は1階が一箱本棚及び寄贈本棚、一箱店舗、としょ係受付、フリースペース、トイレ、コインランドリーとなり、2階がスタンディングデスク、デスク型アトリエスペース、テレカンブースとなる予定だ。

これからどうしていきたい

この地域で何かをやりたいという人を応援する会社になりたい。子どもたちが憧れてくれるような大人がこの地域にいる、その方たちと一緒にこの街を盛り上げていきたい。

パッションポイント

街歩き、空き家探し、廃墟

公式サイト、出版物など

シェアアトリエつなぐば

一級建築士事務所 コーデザインスタジオ

チケット(私のできること、得意なこと)

・草加の魅力を話します。

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

草加

お気に入りの場所(アウェイ)

練馬

池袋

つながり

高橋浩志郎(草加市役所)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

高橋浩志郎さんからの紹介でインタビュー。1年前に直接アポイントを取ったことがあって、その時は予定が合わず断念してましたが、1年越しのインタビューが実現できました。シェアアトリエのような場が地域にあるといいですね。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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