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【川崎】清水まゆみ(かわさき・食と農のコミュニティ)

CSR講座に参加したのをきっかけに市民活動や都市農業と出会い、のらぼう菜の普及活動を行ってる清水まゆみさんにインタビュー。

プロフィール

清水まゆみ

長野県生まれ。大学進学で上京。川崎市在住。

2008年、農林水産省「にっぽん食育推進事業教育ファーム推進事業」の事務局担当。全国の農業体験を主宰する農家が地域の風土、人に寄せる“まなざし”に感銘を受けたことが、今の活動の原点。
2015年に川崎の伝統野菜「のらぼう菜」を70年作り続けてきた髙橋孝次さんと出会い、自称「おっかけ」として、栽培や学校現場での指導を取材。2020年「のらぼう菜-太茎多収のコツ」(農山漁村文化協会刊)の編集を担当。現在は市民レベルで川崎ののらぼう菜を次世代につなぐ活動を展開中。

川崎市居住歴30年を超え、市民が市民活動を取材して記事(神奈川新聞に掲載)を書く「市民記者」や、市内産の農産物を使った料理コンテストにも関わる。川崎フロンターレのサポーター歴8年。

マーケティングの経験を活かし、農業と出会う

出身は長野県安曇野市で、大学進学で上京してきた。大学を卒業し大手流通企業に就職し、出来てまもないマーケティング部に配属された。そこでは主に住関係の家庭雑貨やインテリアなどの市場調査の業務についた。なかでも面白い取り組みをしてるお店などを社内報で紹介することもしていたそうだ。6年ほど勤務してる間に結婚し、長男を出産したタイミングで退職した。子育てしていた期間も子育て中の主婦の仕事を斡旋してくれるサービスを利用して、在宅でテープ起こしなどの仕事もやっていた。

お子さんが10歳になるころ、ご主人が脱サラして自営業になったのをきっかけに、前職の時にお世話になった市場調査会社で働いた。しばらくして農産関係の出版社に勤めていた友人が、農林水産省の教育ファーム推進事業を受けることになったので、効果測定担当として働かないかと声をかけてくれる。そこでは全国各地の団体と教育ファーム(農業体験)を行った。先進的で情熱的な農家さんや、学校や幼稚園の先生たちなどと出会い、大きな影響を受ける。農業は「人を変える力を持つ」ことに気づき、これをきっかけに農業が「自分ごと」になった。

川崎で地域貢献にめざめる

2013年、長く川崎市に住んでいて、川崎のことを何も知らないと気づく。そこで市政だよりを見ていたら、公開講座の募集を見つけ、味の素やNEC、小田急、川崎フロンターレなどの企業からCSRを学ぶ講座に参加した。その前年に川崎フロンターレの地域貢献活動も話題になっていたので興味を持ち、等々力陸上競技場にも足を運んでいたこともあった。その講座で自分が住む宮前区での地場野菜を使った料理コンテストを運営する市民団体の案内チラシをもらって参加した。そうしたコミュニティに参加していき、自身の「かわさき・食と農のコミュニティ」の活動をはじめていくようになる。

川崎で「のらぼう菜」と出会う

2015年、川崎市多摩区で農業を営んでいた髙橋孝次さんと出会う。のらぼう菜を食べる会をやるから参加しないかと知人に誘われたのがきっかけで、髙橋さんは10アールほどの畑で、のらぼう菜を2,500株栽培し、2月から5月初めにかけて収穫。約70年間にわたって茎を太くし、収穫量も増やしてきた。のらぼう菜は栄養価が高く、甘みが特徴のアブラナ科の野菜で、さまざまな料理レシピにも応用できる。この野菜を次世代に伝承しようと、小学校などで食育の出前授業をやっていた方だった。高橋さんの人柄にもふれ、その活動を一緒にはじめ、2020年に書籍化もされた。出版後、髙橋さんは亡くなってしまったが、その想いを受け、広く伝えていく活動を続けている。

これからどうしていきたい

かわさきののらぼう菜を確立させたい。実際には規格がそろってなく、どれがのらぼう菜か消費者にも分からない。全国に髙橋さんのらぼう菜を通して生き方を学び栽培技術も紹介していきたい。来年以降には髙橋さんの足跡や子供たちに話していたことを紙芝居にしていく。

パッションポイント

文房具

公式サイト、出版物など

のらぼう菜: 太茎・多収のコツ

チケット(私のできること、得意なこと)

・のらぼう菜の畑を案内します(春限定)

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

生田緑地
神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-4

等々力陸上競技場
神奈川県川崎市中原区等々力1-1

お気に入りの場所(アウェイ)

安曇野

つながり

菅野のな(オーガニック料理教室ワクワクワーク)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

菅野のなさんからの紹介で、清水さんとは市内のイベントで初めてお会いし、その後は等々力でのサッカー観戦で毎試合ゴール裏でよくお会いしてました。私の中ではフロサポとしての清水さんの方が印象が大きいので、必ずサッカー談義に終始してしまい、今回のインタビューでも今季の振り返りで盛り上がりました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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