【神奈川】山口冴希（BEAT ICE）

東京から葉山に移住し、「お米のヴィーガンアイスクリーム」を製造販売している山口冴希さんにインタビュー。

プロフィール

山口冴希/株式会社BEATICE 代表取締役。葉山在住、3児の母。夫婦で葉山の棚田の農家さんとお米作りをしながら、お米のヴィーガンアイスクリームの製造販売を行っている。売上の一部が棚田に還元される「棚田アイス」の取組みは、2020年「第8回環境省グッドライフアワード」にて、実行委員会特別賞「森里川海賞」を受賞。食べることが大好き。

葉山に移住し棚田で農業を始める

横浜市で生まれ育ち、夫と3人の息子と都内で暮らしていたが、相模湾越しの富士山や棚田の光景に惚れ込み、2015年に神奈川県葉山町へ移住を決めた。それまで葉山といえば御用邸や海の印象しかなかったが、棚田があることに驚いたそうだ。移住をしてしばらくして、地域のママ友から、棚田を手伝ってみないかと誘われた。それまで全く未経験だったが、水田を作る面白さや、地域の方とのふれあいが葉山をさらに好きになっていくきっかけとなった。

手伝っているうちに、水田は60枚ほどの規模で、収穫量が少ないため市場流通ができず、維持をするのも大変だということが分かった。そこで何かできることはないかと考え出す。当初は棚田の宿を作って、農業体験もでき、そこで米で作ったスイーツをやりたいというアイデアも浮かんだが、すぐには実現しなかった。葉山に遊びに来る人に、海だけでなく、山や棚田のことを知ってもらえたらと、棚田の米から甘酒アイスを作り、海の家や地域の飲食店で提供するという構想にたどり着いた。

棚田アイスの誕生

1年の開発期間を経て、甘酒由来の自然な甘みを活かした、無添加のヴィーガンアイスクリームが完成。ココナッツミルクを掛け合わせた「甘酒＆ココナッツミルク味」と、葉山名産の生姜とアーモンドミルクを合わせた「アーモンドミルクチャイ味」の2種類を販売することにした。米10キロでアイス1500個作れる。また販売価格は1個350円として、そのうち10円を棚田保全を担う「葉山棚田耕作隊」に寄付することにした。

オンラインでの販売の他に、地域にある道の駅などで販売を開始。瞬く間に評判が広がり、寄付する仕組みも共感されていく。全国からも次第に問い合わせなどが届くようになり、2018年には、NPO法人棚田ネットワークから誘われ「全国棚田サミット」に参加した。そこで長野県の棚田農家さんからもうちでもやりたいと声かけられ、現在までに高知や岡山など10地域と協働して「棚田アイス」を作っている。

2020年には、鎌倉市立鎌倉小学校の教員が山口さんたちの棚田を見学し、学校の授業で棚田の魅力と「棚田アイス」について話す機会も作ってくれた。同年12月には「第8回 環境省グッドライフアワード/実行委員会特別賞「森里川海賞」を受賞。21年3月からは横浜国立大学附属小学校の給食メニューとしても提供を開始。反響の輪が大きく広がり始めている。ブランド名は「BEAT ICE(ビートアイス)」。「舌鼓を打ち、鼓動が高鳴るアイスクリームの探求ラボ」という意味が込められている。

これからどうしていきたい

愛知県三河で、みりん醸造を行っている角谷文治郎商店とコラボし、DEN＋EN ICE CREAM「三河みりん&カカオ」をリリースしたばかり。今後もお米文化を愛する人やメーカーとの協創を通して、日本はもちろん、世界に向けて棚田や田園風景の魅力を届けていきたいと考えている。

パッションポイント

料理が好き

公式サイト、出版物など

BEAT ICE

チケット（私のできること、得意なこと）

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所（ホーム）

上山口の棚田
神奈川県三浦郡葉山町

一色海岸
神奈川県三浦郡葉山町

お気に入りの場所（アウェイ）

熊本県天草市

つながり

・三浦健（CHABAKKA TEA PARKS）

・本多法仁（高野山真言宗玉蔵院）

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

三浦健さんからの紹介でインタビュー。お米でアイスクルームも作れるということを初めて知りました。またその売上の一部を棚田に還元して守っていくという活動も素敵だなと思います。今後商品アイテムが増えていくのを楽しみにしています。（野田）