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【広島】安村通芳(レインボー倉庫広島)

前職のアパレル業界からUターンで広島に帰り、グランピングイベントやレインボー倉庫広島など社会課題解決から新しいビジネスに展開する安村通芳さんにインタビュー。

プロフィール

1984年広島市生まれ。廿日市市在住。
DIYリフォームアドバイザー / 廿日市市移住コーディネーター

高校時代から東京のファッション専門学校が企画するサマースクールに参加するなど、ファッションの夢を叶えるべく行動するも家庭の事情により進学を断念。グローバルワークに就職。 東日本震災後、広島に帰郷。グランピング企画会社を起業後、レインボー倉庫広島の立ち上げに参画。地元商工会青年部の活動にも積極的に関わる。地域創業者の創出を目的とした「宮島口マルシェ」やコワーキングスペースでの創業希望者向けチャレンジマルシェなど年間100以上のマルシェやイベントを企画・運営。祖母の空き家を機に、空き家問題に着手。

大手アパレル時代、アルバイトから駆け上がる

広島で生まれ育ち、ファッションが好きでスタイリストになりたいと志していた。高校生の時にバンタンのサマースクールに参加し、高校を卒業したら上京してバンタンに通うことも決まっていた矢先、父親がリストラにあってしまう。元々自営業を営み、その仕事を辞めて就職していた会社でそういう事態が起きてしまう。親は心配せず行きなさいと言ってくれたものの、不安が募り学校行きを断念。古着屋などでアルバイトをしながら、大手アパレルチェーンのグローバルワークの募集を見つけ、そこでのアルバイトを始めた。

社員投与もあるとのことだったので、一生懸命働き20歳で正社員に昇格した。四国の第1号店立ち上げをはじめ四国で5店舗のうち3店舗の立ち上げを経験する。実績が認められ24歳で店長になった。26歳の時当時、SNSのmixiがブームで、そこで社内向けの交流掲示板を運営していた。売り場の作り方や接客のノウハウなど、全国の店舗、そしてブランドを横断した情報交換、社内共通ポイントカードを四国で実験的に行うなど自発的な取り組みが、会社に評価されて東京本社に栄転となる。本社に配属されてからもECサイトの立ち上げにも尽力した。

東日本大震災、そして広島にUターン

2011年に発生した東日本大震災を境に広島へのUターンを考え出す。当時は社内のECサイトを1人で担当していたため、他のメンバーに引き継ぎいだ後、帰郷して30歳で独立した。まず初めに個人事情で開始し、ファッション販売の経験を活かしてオンライン通販を開始。利用していたメルカリの好調も手伝って売り上げも順調に伸びていった。地元に帰り、廿日市市内に家を建て、家の中に撮影できる部屋も用意して仕事を日々続けていると、家から出ない生活になっていった。

人と接しない状態が、約1年半くらい続き、外にでようと思い新宮中央公園に行くと、「はつかいち 心の灯り」という東日本大震災復興支援のイベントが行われていて、そこの主催団体に参加することにした。副市長だった方が代表を務め、その方に広島市内のキーパーソンや商工会などを紹介してもらった。紹介を通じ、メルカリの使い方講座を開いたり、コワーキングスペースでマルシェを企画したり、そうした活動でイベントを企画して運営するノウハウが次第に蓄積していった。

広島でグランピング企画

イベントを通じて出会った仲間と一緒に、廿日市市にある岩倉ファームパークキャンプで3日間、グランピング体験イベント「etc.CARAVAN(エトセ・キャラバン)Glamorous night in Autumn」を開催した。電球約200個が付いたシャンデリア、大きなベッドを設置したテントにタープ、巨大スクリーンでの野外シネマ上映など自然の中で食事など楽しめるイベントを企画し600人もの参加者が集まった。メディアにも取材され、すぐに2回目も開催し1000人が参加、3回目には6000人も参加するほどの大きな反響となった。

レインボー倉庫広島

グランピングでも一緒に運営したWOODPROの中本さんが、商工センターにあった倉庫を紹介してくれ「レインボー倉庫広島」という施設をオープンさせた。グランピングなどの企画を通じて、これからはコミュニティ形成が必要だと思い、人と人が集まって話すのが原動力になることを学んだと語る。そこでその倉庫でコミュニティを作ろうと考えた。

施設の中にはカフェや広島県内外からのハンドメイド作家が作った雑貨を販売する雑貨屋、おもちゃ屋、スキンケアサロンなどが入居する。ハンドメイドや音楽好きな人など、そうした部活を作って関係人口を増やそうというのが、このレインボー倉庫広島で目指したことだ。

廃材を面白くする会と廃材の森

将来は洋服業に関わる仕事ではなく、社会貢献ができる仕事をしたいと安村さんは考えてた。そこで社会課題を解決していくプロジェクトを始めた。その1つ「廃材を面白くする会」は、廃材の再利用を目的にWOODPROと共にコミュニティをスタートした。WOODPROと連携して資材置き場の一画に廃材を集め、より積極的にリユースを進めていく場「廃材の森」も誕生した。そこではアウトレット品などの廃材市、ワークショップや屋台の出店、展望デッキやフェンスを足場板や廃材を使ってDIYするイベント、トークショー、ステキSUGIコンテストの受賞作品展示など企画し、多くの来場者に賑わった。

空き家を面白くする会

もう1つ「空き家を面白くする会」も発足させた。空き家対策で困ってる人が周囲にも多いことから、自身も祖母の空き家をどうしようかと悩んでいた。そこにはハウスメーカーや大工さんも参加、毎月1回交流会を開くことにした。1回目の参加者は13人ほどだったが、今では100人近いメンバーとなった。そこからさらに発展し、まち歩きイベントや建築学科の大学生や先生ともつながり、専門家に学んでDIYリフォームアドバイザーという資格も取得できるようにもしたという。

多岐にわたってチャレンジする安村さんだが、新しいことを始める時に、まずそのルールを知ることが近道だと語る。課題が生まれるポイントを押さえ、その業界に属してる人を仲間に巻き込んで、経験した話を聞く。そうして新しいプロジェクトへと発展している。今後も目が離せない。

これからどうしていきたい

会社は定年がゴールになってしまう、定年するとただの人になってしまう人が多い。60歳過ぎても周囲と協力できないと厳しいと思う。それまでにブツブル交換できる関係になれるよう、いろんな人に関わっていきたい。

パッションポイント

子育て、子供と取り巻く環境をよくしていくこと

公式サイト、出版物など

レインボー倉庫広島

チケット(私のできること、得意なこと)

・宮島の案内します
・ほしい廃材を探せます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

宮島弥山の山頂からの景色
観光協会サイト

お気に入りの場所(アウェイ)

手紙舎 つつじヶ丘本店
東京都調布市西つつじヶ丘4-23-35 神代団地商店街 101
公式サイト

つながり

大島久典(AZlink)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

大島さんからの紹介でインタビュー。東日本大震災時にもしかしたら同じビルにいたかもしれないという珍しい縁を感じました。前職時代や広島での活動などどれも興味深い話ばかりで面白かったです。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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