100人、100通りの人生とまちの風景、キーパーソンに会いに行こう

【岡山】中山智津子(なかよし薬局/leafect)

岡山市で、薬を売りたくない薬局「なかよし薬局」を経営し、野草茶レシピ本の出版や、野草茶の販売も行う中山智津子さん。

プロフィール

大学院博士課程在学中の2001年より調剤薬局の経営を開始。多すぎる処方薬を目の当たりにし、「薬を売りたくない薬局」として地元のカフェで一般市民向け健康セミナーを開始。野草茶の開発、販売、野草関連イベントを行う。SOERU中国地域女性ビジネスプランコンテストでは特別賞を受賞。自身で開発したブレンド野草茶が10点以上楽天カテゴリ別1位を獲得。

学生時代は環境微生物の研究に没頭

兵庫県姫路市で生まれ、西宮市の武庫川女子高校に進学し、青春期を過ごした。小さい頃から絵を描くのが好きで将来は漫画家かイラストレーターになりたいという夢を持っていた。いっぽうで留学して海外で仕事もしてみたいという想いもあり大学は英文科を目指そうと考えた日もあったが、親の勧めもあり、武庫川女子大学の薬学部に進んだ。その時はじめて勉強が楽しいと思ったそうだ。なぜ人間は病気になるのか。化学反応が人の身体の中でどう起きているのかなど、学ぶことはすべて興味深く、最前列で授業を受けていた。

4年生から研究室に入り、環境問題について取り組みたいと思ったが、自分が研究したいテーマがそこになく、先生に岡山大学の研究室を教えてもらった。その後、岡山大学の大学院に進んで環境系の研究をした。そこは病原微生物の研究で食中毒の原因となる菌について研究をしていたが、中山さんは環境微生物の研究を0から始めた。人がどうして地球を汚したのかというテーマに関心があり、その研究に没頭した。インドのコルカタという街で病原菌の調査を行ったこともあった。

薬を売りたくない薬局

大学院修士課程2年在籍中に結婚をし、地域の医薬会社で薬剤師としてのキャリアをスタートした。その4年後に再び博士課程に戻るが、2004年に薬局を経営していた義母が病で倒れ、博士課程の2年の時に、急遽代わりに薬局をやることになった。「なかよし薬局」の由来は、中山の中と、薬局がある吉宗の地名から中・吉(なかよし)と名付けたそうだ。薬局に立つようになって患者さんと親しくなっていき、処方箋に従い1日に10錠を超える薬を患者へ渡すことに問題意識に感じるようになっていく。こんなに薬を飲ませるのはおかしいのではないか。患者さんのことを考えると、薬を減らせたらいいと思った。

身体にいい食べ物を教えるセミナーなどを開催するようになるが、当時は高齢者の医療負担は1割。エゴマの提案をしても高額なため、薬をもらったほうがはるかに安かった。次第に、岡山市内で名を知られるようになり、ある日オーガニックマルシェをやってる方と出会い、県内で無農薬で育てる野草茶を作ってる方の協力をしてほしいと相談され、薬剤師でもある中山さんがプロデュースすることになる。その後、野草のポテンシャルに強い興味を持ち、その世界に没頭し、野草について発信するようになった。そして薬学博士が教える手作り野草茶レシピが出来た。

薬学博士が教える 手づくり野草茶レシピ

ある編集者からメールが届き、野草についての本を書いて欲しいという依頼が書かれていた。当初はほかにも数名と一緒に書くのだろうと快く受けたら、中山さん一人で執筆することがあとで知らされ、驚きと喜びの中、執筆。そうして『薬学博士が教える 手づくり野草茶レシピ 』が2022年から販売開始となった。Amazonではジャンル別で予約時に1位に。全国の図書館に600冊配置されることになるなど話題を集めた。ヨモギ・スギナ・タンポポなど20種以上の野草の採集・加工・抽出のやり方や飲み方などを紹介。野草のイラストと写真、野草茶の写真を掲載し、頭痛・肩こり・高血圧など40種の悩み別の野草茶のブレンドレシピも紹介した。

最近は、野草の販売会社「leafect(リーフェクト)」を起業。効果(effect)がある葉っぱ(leaf)という意味を持つ社名だそうだ。野草茶の販売のほか、栽培しやすいヨモギ・スギナ・タンポポなどの薬草農家の普及を目指し、薬草でお金になるビジネスモデルを確立したいと語る。

これからどうしていきたい

薬草の文化を根付かせたい。

元気に暮らす、薬に頼らない暮らしを教えていきたい、広めていきたい。

パッションポイント

仕事

公式サイト、出版物など

なかよし薬局

博士の野草研究所

博士のお茶研究所

薬学博士が教える 手づくり野草茶レシピ (山と渓谷社)

チケット(私のできること、得意なこと)

・野草茶のサンプルをプレゼントします
・野草の解説をします

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

岡山城

お気に入りの場所(アウェイ)

インド・コルカタ

アメリカ・シリコンバレーのパロアルトの合宿の場所となった一軒家

つながり

かんべたかこ(N.K.Cナーシングコアコーポレーション合同会社)

清瀬由圭(チルドリン徳島)

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

かんべたかこさんからの紹介でインタビュー。野草を使い健康的な暮らしを提案される薬剤師さんということで、すごく興味深いお話を伺えました。書籍も購入してみましたが分かりやすくて勉強になりました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
野田国広の記事一覧