大田区にあるお茶がのめる絵本の店「
長野県飯田市で生まれ、途中父の転勤で違う町に引っ越す。小さな頃から本を読むのが好きで、小学高学年の時に先生の薦めで日記をつけ、読書の記録も書き綴っていた。日々の生活なども記録し、親や先生もその日記にコメントを書いてくれた。卒業する頃にはそれまでの日記を先生が1冊の本にしてプレゼントしてくれた。振り返るとそれが勉強への向かい方として、いまの基盤になったと話す。高校に進学すると父が税理士として独立をし、自分もいつか税理士になりたいと夢を描いていた。
そして慶應義塾大学の商学部に進み、大学卒業後も2年ほど大学事務局で仕事に就いて、卒業生向けの月刊誌に関わった。その時に編集や校正してる様子を見て、楽しそうだと思った。もともと本が好きだったので、人生の中でいつも悩むと本の中の言葉を思い出したり、アドバイスを本に求めたりしていた。実際に編集に関わっていないが、本を作る現場の近くにいたことは貴重な体験になった。
その後は結婚して、兵庫県芦屋市に引っ越し、9年間子育てしながら関西で過ごしたのち、東京都大田区に引っ越してきた。子どもも大きくなり読み聞かせをする機会も減っていったとき、一番下の子どもと通っていた児童館で、絵本を読ませてほしいと交渉して、地域の子どもたちに毎週読み聞かせを始めた。続けていくうちに、自分ももっと勉強して、良い本を読んであげたいと大学のオープンカレッジにも通った。
大田区久が原に絵本とカードの専門店「ティール・グリーン」があるのを見つけ、通った。その店はデザイナーの小林優子さんが経営していて、まるでイギリスにあるような本屋さんだった。数年後、小林さんの事情で閉店することになり、「この場所をなくしたくない」と種村さんは家族に本屋を引き継ぐことを相談した。ちょうど子どもたちも大きくなり、新しい人生を考える時期でもあった。
自宅の1階を改装して、カフェが併設された絵本の店「
店内には赤ちゃんから幼児が楽しめる絵本が約5,000冊揃っていて、年齢や好みにあわて絵本をおすすめしてくれる。
オープン記念のイベントには、詩人の谷川俊太郎さんをゲストに迎えコンサートを開いた。その際、谷川さんから『住宅街にあるという条件を逆手に取って、その中でできることをやったらいい。詩の朗読会やコンサートなど文化を発信できる場所になればいい』という言葉をもらった。それが今でも大きな支えになっていると話す。
また、年に6回、「コガモ倶楽部」というフリーペーパーを発行。おすすめの絵本を紹介するほか、カフェスペースを使って、絵本原画展やおはなし会、句会、ワークショップなども開催していて、地域のコミュニティの中心にもなっている。
これからも、本と人を丁寧につなげていきたい。
歩くこと、泳ぐこと
・”それぞれの人のそれぞれの時のための1冊の本” を選ぶお手伝いをいたします。 |
※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。
六郷用水沿いの遊歩道
多摩川河川敷
芦屋川
・小林潤(さるうさぎブックス)
・鍋谷孝(蒲田切子フォレスト)
※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。
小林潤さんからの紹介でインタビュー。大田区の武蔵新田・千鳥町界隈は以前仕事の職場があった町で、数年間通った地域なので懐かしさと、その町に絵本専門の本屋さんを中心としたコミュニティがあるのが嬉しく思えました。(野田)
インタビュー・野田国広(編集部) グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。野田国広の記事一覧 |