西日本の再開発

九大箱崎キャンパス跡地をスマートシティに再開発

投稿日:2024年4月18日 更新日:

日本最大級のスマートシティ

住友商事、JR九州、西部ガス、清水建設、大和ハウス工業、東急不動産、西日本新聞社、西日本鉄道が参画する、日本最大級のスマートシティ開発をうたうまちづくり計画。九州大学の歴史と広大な敷地を活かし、多様な人々が集まりイノベーションを生む拠点を目指すとともに、「FUKUOKA Smart EAST」の理念に基づく、伝統と革新を融合するとしている。

所在地は福岡県福岡市東区箱崎六丁目ほか、面積は約28.5ha。 FUKUOKA Smart EASTは、少子高齢化などの課題を解決しながら持続的に発展していくため、先端技術の導入などによる、快適で質の高いライフスタイルと都市空間の創出を目指す取り組み。先駆けとして箱崎のまちづくりで推進し、その後全市に広がり、さらに市を超えていくという構想を描く。

計画地の箱崎では、1911年に九州大学の前身である九州帝国大学が開学。100年以上にわたり受け継がれてきたが、大学施設は2005年から2018年にかけて順次伊都キャンパスへ移転した。 跡地利用事業のコンセプトは「HAKOZAKI Green Innovation Campus」。IOWN構想を取り入れ、常に新しい価値観や技術を取り入れたスマートサービスのアップデートや新サービスを創出できる環境を構築。様々なスマートサービスを統合・連携させることで、より適切なサービス提供につなげ、未来のスマートシティモデルの実現を目指す。 施設としては、住宅、商業施設、医療・福祉施設、学校など教育施設、業務・研究施設、公園・広場などを整備する。

まちづくり方針として「九州大学100年の歴史の継承」「福岡の文化・1000年の歴史の継承」「新産業の創造と成長」「環境先進都市の創造と成長」「みどりあふれる空間の創出」「新しいライフスタイルの創出」の6つを掲げる。 スマートサービスについては、生活の質、空間の質、仕事の質のそれぞれを向上させることで「人生の質」を高められるよう、「一人ひとりに最適なサービス」を提供するとしている。それを実現するため、スマートサービス・情報のハブとなるタウンポータルを提供。

あわせて、利用者の属性やニーズなどのデータを利活用可能なデータ連携基盤を核とした仕組みの構築、IOWNによる情報通信インフラの高度化を計画している。 土地利用計画については、共同住宅の「サウスリビングゾーン」「ノースリビングゾーン」、商業を中心とした「ウェルカムゾーン」、医療・福祉施設の「ウェルネスゾーン」、教育の「ナレッジゾーン」、業務・研究の「ゲートゾーン」「イノベーションコア」でゾーニング。

各ゾーンの特性を踏まえた5つのストリートを歩行者の主要動線とし、まちの回遊性を高める歩行者ネットワークを形成する。 周辺からまちにつながる結節点には街角広場を整備。また、最新テクノロジーやスマートサービスの体験などによりコミュニティを育むスマートステージ(にぎわい空間)を整備する。 みどり空間の構築も進め、まち全体で緑化率40%、総樹木本数10,000本以上を確保。アイレベルからの緑量を増やしながら建物屋上まで緑をつなぎ、立体的な緑空間とする。 街並みは、基壇部と高層部の形成による、アイレベルからみた九州大学時代の景観を継承する。

また、九州大学時代の建物色調を活かした色彩計画および外壁素材の選定を行なう。 交通については、路線バス、オンデマンドバス、タクシーなどが乗降できる交通広場を整備。シェア型モビリティの乗換え場所として、モビリティハブを交通広場と駅前の3カ所に、モビリティポートをエリア内14カ所に設置する。 スケジュールは、第1期まちびらきが28年度で、住宅、商業施設、多世代交流施設、イノベーションコアが開業予定。イノベーションコアには、生鮮マーケット、フードホールを備える、約30店舗の飲食店、客席数約1,500席のフードパークを整備する。その後、順次開発を進め、36年度に現計画のすべての施設完成を目指す。

都市計画

福岡市東区の九州大学箱崎キャンパス跡地の大規模な再開発を巡り、住友商事やJR九州、西鉄、西部ガスなどが参加する企業グループに決定。

(1) イノベーションコア
・地域から世界にまでつながり、驚きと感動が溢れるイノベーションコアの整備
(2) 広場・開発公園
・ゾーン特性に応じた交流・発信・実証を促すスマートステージの整備
・地域と繋がる街角広場・開発公園の整備
(3) 歩行者ネットワーク
・インクルーシブで多様な機能を備えた、街の骨格を形成する5 つのメインストリート
(4) 車両の動線計画
・公共交通利用を促進する交通広場の整備、路線バスの延伸、パークアンドライド施策
・適切な駐車場、モビリティハブ・ポートの整備、デマンドバスの導入 等
(5) 緑空間の確保・「箱崎創造の森」
・緑化率約40%、樹木10,000 本以上による圧倒的な緑量の確保
・広場・公園をつなげるエコロジカルネットワークの形成
・AR 等を用いた既存樹木の景観資源としての活用 等
(6) 街並み景観・歴史の継承
・九州大学時代の街割りグリッド、街並み高さ、建物の色調の継承
近代建築遺産と調和するスカイラインの形成
・歴史資源(保存部材等)を活用したアート 等

■業務・研究機能
箱崎がアジア・世界とつながり、イノベーションと新たな産業を生み出すまちを実現
・IOWN 構想研究拠点と多様なプレイヤーが集うイノベーション拠点「BOX FUKUOKA」
・九州大学の知の拠点を継承し新たなライフサイエンス研究拠点へと成長させる
「ライフサイエンスパーク」
・都心にアクセスしやすい新たな駅前ビジネス街区「North gate Hakozaki」 等

■交流・にぎわい機能
食・アート・音楽など福岡の文化・歴史を次の100 年につなぐ新たな集客交流拠点を実現
・福岡・九州の豊かな食をテーマにした日本最大級の食のエンターテイメント交流拠点
「フクオカサスティナブルフードパーク」
・知と文化と体験が融合したクリエイティブな「ブック&カフェ」
・多様な人と機能と体験が交わり、365 日にぎわいと新たな価値を生む「交流広場」
・パブリックアート・アートベンチ、IOWN 技術による次世代3D アートエンターテイメント

■生活支援機能
便利で豊かな生活を実現し進化し続ける多様な生活インフラのある人生の質を高めるまちを実現
・各ゾーンの立地特性や利用シーンにあわせた生活支援機能
(スーパー、コンビニ、ドラッグストア、カフェ・飲食店、ジム、オフィスサポートサービス 等)
・公共交通と連携させた網羅的で多様な交通アクセス
(交通広場、路線バス延伸、多様なパーソナルモビリティ、オンデマンドバス 等) 等
■医療・福祉機能
「箱崎版地域包括ケアシステム」を構築し、インクルーシブでウェルビーイングなまちを実現
・地域の健康づくり 「箱崎版地域包括ケアシステム」の構築
(地場の総合病院、産婦人科クリニックの移転拡張、クリニックモール、多世代交流型福祉拠点 等)
・充実した機能と支援で子育てにやさしいまちの実現(保育園、病児保育施設、学童施設 等)
・健康づくりをデザインしたウォーカブルで活動的な都市空間の活用 等


■教育機能
九州大学100 年のレガシーを継承し、九州の学びを集結した 「マナビマチ」を実現
・先進的教育機関が集まりイノベーションを生む世界で活躍するグローバル人材を育成
(インターナショナルスクール(総合・幼児)、外語専門学校 等)
・あらゆる人が気軽に学び参加でき人生が豊かになる多様な生涯学習の場
(多世代交流施設(幼児・児童向け教室、児童発達支援、フリースクール)、社会起業塾、暮らしの大学 等)
・九州大学や他大学との多様な連携で、地域住民の学びや学生のフィールドワークの場を実現 等
■居住機能
福岡の都市戦略を具現化する多様な人たちが住みたくなる人生の質が高まる住環境の実現
・多様な人たちが安心して暮らせ、交流やコミュニティが生まれる多種多様な居住機能
(分譲住宅2,000 戸、単身者向け賃貸住宅、高齢者向け住宅、共同社員寮、学生寮)
・スマートで安全安心・快適・エコなミライの住環境 等

跡地の再開発に合わせて、JR九州は、JR鹿児島線の箱崎駅と千早駅の間に新しい駅の設置もある。

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