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【神奈川】谷口斎隆(駄菓子屋ROCK)

35歳までに駄菓子屋になるという目標を立てて夢を実現。子どもから大人までも虜にする「駄菓子屋ROCK」の谷口斎隆さんのインタビュー。

プロフィール

1980年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。高校を卒業後、さまざまな飲食店でアルバイトを経験。35歳までに駄菓子屋になると周りに話していたが、本当に35歳の誕生日直前に移動式リヤカー駄菓子屋を開業させる。近所の団地などで出店しているほか、各種イベントやお祭りにも出店している。

駄菓子屋ROCK、伝説の始まり

学生時代からロックが好きで、人生の中で最も大きなカルチャーで自分の大半を形成してくれたと谷口さんは語り出す。茅ヶ崎で生まれ、高校を卒業するといろんな飲食店でアルバイトを始める。35歳までに駄菓子屋になると特に根拠もなく周囲に宣言していたそうだ。子どもの頃は学校帰りに駄菓子屋に友だちと集まってゲームをしたり、お菓子を買ったりして子どもながらに初めて体験する社会との接点でもあったと振り返る。世の中的にはどんどん駄菓子屋が減っていってしまう。

宣言してからもうすぐ35歳を迎えるという間際になって、言った手前格好つかないのでやらないといけないと決心し、リアカーが欲しいとSNSで発信したら。それを見てくれた壺焼き芋屋さんが譲ってくれることになった。そのリアカーを廃材を使って柱を立て、自腹で買ったトタンで屋根を作り完成。総工費3,000円で出来てしまう。それから駄菓子問屋から仕入れて、誕生日の4日前に「駄菓子屋ROCK」はスタートする。名前は駄菓子屋とロックという相反する感じが良いと思ったのと、ロックの反骨精神がミックスした感じにしたかったと語る。

子どもたちにとって隣の家の兄ちゃんという存在でありたい。自分が語ってきた夢が実現し、始まっていく。周囲には夢を叶えたと自分は堂々と言える。そう言える大人が果たしてどれだけいるだろうか。自信満々に言える大人が子どもたちに希望を与えることができる。大人が笑顔じゃないといけないと、そう話を続けた。駄菓子を買いに来てくれる子どもたちの中には毎回来てくれる常連もいれば、こども店長として手伝ってくれる子もいる。

ライブに、縁日、櫓、お菓子投げ

リヤカーでの移動販売の他に、ヨーヨーや綿菓子、スーパーボールすくいなど夏祭りなどの定番の縁日も体験することもできる。縁日を通じて、譲り合ったり助け合ったりのコミュニケーションも学べる機会だという。櫓も谷口さんは個人で所有していて、ホームセンターで単管パイプを購入して作ったというから驚きだ。夏祭りなどのイベントで使用することが多く、ライブをしながら、ステージや櫓の上から子どもたちに向かってお菓子を投げるパフォーマンスも話題になった。

2020年以降のコロナ禍以降では、「完全貸し切りの秋祭り」として130分の貸し切り制で、1日当たり来場者を限定21組までのイベントも企画した。来場者が何千人でも1人でも、変わらない日本の祭をテーマに企画したそうだ。また、Jリーグの湘南ベルマーレと浦和レッズとの試合前に、お神輿、櫓、縁日ブースをレモンガススタジアム平塚に出店。夏祭りの雰囲気で来場者を楽しませ、駄菓子販売や射的ゲームなどで賑わった。また、この年に盆踊り協会の理事にも就任し、盆踊りの普及にも取り組もうとしている。

YESか、農家っ!「六九農園」

2021年、農水省が行う次世代の就農希望者向けの研修を受け、農家としての第一歩も踏み出した。結婚し子どもも生まれて、自分の子どもに安心安全な野菜を食べさせたいと農園を始めることを決意した。今後作っていく農園は「 六九農園」。211月から1年かけての就農研修が始まっており、来年からの農家デビューの日が待ち遠しい。根っからのエンターティナーで人を楽しませることが好きだと語る谷口さん。自身の結婚式でも白塗りの顔で登場するなど、とにかく周囲を喜ばせ楽しませることに情熱を傾けている。新しく始まる農園でも何が始まるのか楽しみだ。

これからどうしていきたい

海外に拠点を置く日系企業で、日本の祭りをCSRの一環としてPRして盆踊りや駄菓子を海外でも広めていく。

パッションポイント

祭りの存続

公式サイト、出版物など

駄菓子屋ROCK

チケット(私のできること、得意なこと)

・夢の叶え方を教えます

※チケットをお願いする時、『ソーシャルタウンガイド』を見たと連絡するとスムーズです。
※コンタクトはSNSのメッセンジャーから連絡をお願いします。

お気に入りの場所(ホーム)

近所の公園

お気に入りの場所(アウェイ)

母島

つながり

岡部真久(クロマツプロジェクト)

齋藤佳太郎(サス研@湘南)

小林宏行(トランジションタウン藤沢)

井上美緒(花政)

石井光EdiblePark湘南)

大西裕太(話せるシェア本屋とまり木)

ジェントルゆうすけ

※つながりは、紹介したキーパーソンとのつながり、または今後インタビュー予定の方です。

取材後記

岡部真久さんからの紹介でインタビュー。どこかで耳にしたことがある「駄菓子屋ロック」。どこから切っても楽しそうで、インパクトもすごくて面白い。話を聞いててもやっぱり面白かった。谷口さんのような大人がもっと増えるとより楽しいだろうなと思いました。(野田)

インタビュー・野田国広(編集部)
グリーンドリンクス川崎のオーガナイザーをはじめ、かわさき新聞などのWEBメディア運営、シェアオフィスのコミュニティマネージャーなどを勤める。福岡市出身、川崎市在住。
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